【5年待ったのに何だこれ】パシフィック・リム アップライジング
2013年、人類と怪獣との熱いバトルを描いた『パシフィック・リム』の続編。 製作が停止したり、前作の監督が今作の監督を降板して制作に回ったり、制作会社のレジェンダリーが経営難になったりと、不運が続くも、5年という長いブランクを経てついに続編が公開!!
舞台は前作から10年後。 人類が作り上げた巨大ロボット『イェーガー』と怪獣との戦争が終結し、復興の道を行く人類。 しかし、人類に再び魔の手が近づくのであった・・・・!!!
残念ながら、前作のキャストはほとんど登場せず、主人公も前作の司令官の息子です。 前作の主人公は一切登場せず、前作からは、ヒロインの森・マコと博士二人。
そんなこんなで今作は前作とは全く違った視点で描かれる・・・・と詳しい情報が公開される前から話はありました。
実際、予告の地点でもわかる通り、作風もイェーガーのデザイン性も変わっています。 前作ではギレルモ・デル・トロのオタク魂が炸裂していましたが、今作では主演のジョン・ボイエガが制作にも携わっていて、他にも多くの人が制作として集められました。 この大きく変化した制作陣が、前作とは違ったオタクっぽい映画をどう創り上げるのか。そういった期待値と不安が入り交ざっていたのが、今作が公開されるまでの間の印象です。
少し遅れて、ついに日本でも公開されました。
するとなんということでしょう。 ・・・あれ? ・・・っていう印象の映画になっていました。
なんか、前作で良かった要素が何故か無くなっていて、代わりに別に求めていない要素が加えられていた。そんな感じです。
まず、イェーガーについてですが、スタイリッシュなフォルムになって、動きも俊敏になっているんです。 続編ですし、10年後の物語ですし、前作から無意味にパワーアップすることは当たり前ですよね。ただ、ちょっとやりすぎなんです。 そもそも、前作ではあのトロい戦闘は否定されていませんし、むしろそこに魅力を感じていた人も多かったと思います。ですので、別にパワーアップって言っても、ハイテク武装がいっぱい追加されたってくらいで良かったんです。 前作の主人公機『ジプシー・デンジャー』のバージョンアップ版である、今作の『ジプシー・アベンジャー』は、核融合炉が2つになり、顔も攻撃的になりました。しかし、能力的にはただ俊敏になって、武装の追加も1つだけ。装甲なんかはむしろ弱くなってるんじゃないか?そんな印象がありました。
次に、ストーリーとアクションのバランス。 前作では、このバランスのとり方がとても上手かったんですが、今作はストーリーに偏り過ぎていたと思います。 実際の所前作と今作はストーリーとアクションの比率は同じくらいなんだと思います。しかし、今作には序盤の盛り上げになるシーンが無く、それのせいで前作のようなアクションの合間にあるワクワク感がありませんでした。 また、せっかくストーリーでじらしてきたバトルシーンも、かなりのワンパターンぶりで、迫力に興奮するようなシーンも正直ありませんでした。 結局映画好きな人に向けた作品なのか、ロボット怪獣特撮大好きなオタクに向けた作品なのかが分からない出来になっていました
重きをかけ過ぎた今作のストーリーですが、前作と同様キャラクターの過去、記憶についての描くんですが、それがもう1作目の2番煎じみたいな感じなんです。 シチュエーションと人物は違えど、『ヒロインの過去にあった悲劇』はすでにやりましたし、それを乗り越える流れも1作目に似ているんです。 どうせやるなら全く違う『過去にあった悲劇』を描くべきでしたよね。
決して悪い映画ではないですし、ワンパターンなアクションもちゃんとカッコいいです。 ただ、前作から背伸びしすぎていて、やること成すことが3作目みたいなんです。
意外と地味で、のそのそ戦ってこそパシリム。 そういうイメージを払拭したい気持ちも分からないこともないですが、2作目であそこまで作風が変えてしまうのは、ちょっと違う気がします。
今作、コクピットの描写も残念な出来になっていて、バージョンアップで簡易化・・・・したんだと言えば良く聞こえますが、なーんか工夫が足りないんです。
そりゃまあ、前作のコクピットのシーンは変態かってくらいのこだわりっぷりでしたから、今作にはそこまでは求めていないです。
ただ、私は前作のコクピットでガッシャンガッシャンしてイェーガーがガッコンガッコン動いてエルボーロケットオオオアアアアアアア!!!!!するのが大好きでしたから、今作にもそういうシーンが欲しかったんです。
ただ、今作にはそんな感じの、つまりスーパー戦隊みたいな感じが無く、ガンダムみたいに「よし、これで攻撃するぞ!それー!」みたいな感じで、とてもアツいバトルとは言える代物ではなかったです。
重力操作してガンダムハンマー武器を生成してGRAVITY DAZEごっこ攻撃するシーンも、もっとうまくできたはずでは・・・とかも思います。
今作、あのバンダイが気合を入れていたりしていますし、前作とのブランクが大きかった分、今作への無駄な期待値が大きかったんだと思います。
ストーリーそのものは好きなんです。あまり根元に迫らないあの描き方は大好物です。 ただ、それは私がパシリムみたいなオタク向け怪獣映画に求める要素ではないんです。 私が見たかったのは、ただ単にコクピットでガッシャンガッシャンしてイェーガーがガッコンガッコン動いてエルボーロケットオオオアアアアアアア!!!!!する映画です。 それに飾り程度のストーリーと死人がいれば充分なんです。
作中「あーコレ意識してるなぁ」ってニヤニヤする描写があるんですが、ストーリーに重きを置いている為か、全部が志半ばで終わっていて、オマージュというより、ただの劣化パクリみたいな感じになっていました。
バカの一つ覚えみたいに、何でもかんでもシリアスにしたがるこのご時世。まんまとその波に飲まれてしまってます。
いい作品ではあるのはうっすら感じます。 ただ、パシリムの正当な続編としては、正直つまらないです。
流石レジェンダリー!昼間のCG映像とかどんだけこだわってんだよ!! ・・・とは思いますが、ストーリーが前作の焼き直しですし、アクションも盛り上がりの無いブンドドを見せられている感じです。
映像技術が凄くても、それ以外がダメダメ。 結果的に興奮するようなバトルシーンや印象に残るシーンが全く無く、記憶に残らない大傑作でもクソ映画でも普通でも無い何がになっています。
私が「こういうのを観たい!!」って思っていたものを、悪い風に真っ向から否定してくるような内容でした。 これはスースクと同じ感じですね。
ギレルモ・デル・トロの発言から考えると、次回作(があれば)でパシリムは完結でしょう。
あの世界観はアップライジング程度ではもったいないですし、今後の展開に期待したいと思います。
は
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マーベル・シネマティック・ユニバースに思うこと
アベンジャーズ インフィニティ・ウォーの公開が間近となり、その次回作、アントマン&ワスプの宣伝も始まってきた、今年で10周年のマーベル・シネマティック・ユニバース。
アイアンマン(2008)の頃の地味さは嘘のよう(日本ではハルクの方が先でしたが)、オタク向けシリーズから、今では多くのファンからの支持を得ているシリーズとなっています。
現在名古屋ではマーベル展が開催されていて、私もそこに行ってキャプテンアメリカのスーツを見てハァハァしていました。
2012のアベンジャーズ以降どんどん勢いを増し、頑固なSONYピクチャーズすら黙らせてしまったこのシリーズ。
2回目になってしまいますが、スパイダーマン公開からまた心境も変わっている気もしますし、いい機会なのでMCUについて再び書いていきたいと思います。
2008にアイアンマンからシリーズが始まり、クソか微妙を連発した後、キャプテンアメリカ2でアクションスリラーとして素晴らしいものを世に送ってくれました。
しかし、それより後は、クソは無くなったものの、微妙なものばかり。
強敵ウルトロンとの戦いを描くアベンジャーズ2も前作の焼き増しのような内容でしたし、アベンジャーズの分裂を描いたシビル・ウォーもそれほどシビル・ウォーしていなく、微妙な出来になっていました。
この頃以前からほのめかされていた今度公開のアベンジャーズ3への期待値が下がっていく中、スパイダーマンとブラックパンサーという素晴らしい映画を作り上げ・・・・・そして今に当たります。
振り返ってみると、とんでもない規模でありながらも、作品を総合して考えてしまうと大変微妙なシリーズです。
これだけ続けてしまうと、やはり個々の作品ごとに世界観にバラツキがあり、とても同じ世界のストーリーとは思えないものが多々あると思います。
では、なぜこんなにも微妙なシリーズが10年も続けられているのでしょうか・・・。
考えてみると、これってつまり、『MCU』だから観ている、こういう人が多いのが原因の一つだと思います。
たとえ作品からおもしろくなさそうな臭いがプンプンしていたとしても、どこかしら期待して観に行ってしまうんでしょう。
それに、どれだけクソな内容だったとしても、各作品に必ずこれからの展開の伏線があるワケなので、そういうのを早く見たい!見逃したくない!!ネタバレされたくない!!!っていう感情になってしまうのもまた原因の一つなんでしょうね。
こうやってファンを
『観に行く→微妙→しかし、いやらしい伏線のせいで次回作への期待値が上がる→観に行く・・・・』
の悪循環に陥れることに成功した事が、シリーズの継続に繋がっているのではないでしょうか。
そうでもなければ、超マイナーヒーローチームや、たったの10年で三度もリブートをしてしまったスパイダーマンが売れるハズがありません。
まさに継続は力なり。
賭けと言わんばかりに制作されたアイアンマンが運良く成功し、見事なスタートダッシュの後に見事ズッコケる(評価的な意味)ものの、アベンジャーズまで粘って・・・・。そしていつの間にやら何を出しても成功してしまう程のシリーズに。
現在ではもはや007やスター・ウォーズのネームバリューに負けないと言っても良いでしょう。
っていうよりも、たったの10年で(ブラックパンサーまでで)映画を18本とドラマを計○○シーズン(数えたくない)も作ってしまうというのはもはや狂気としか思えません。
また、継続したことによって、映画業界そのものを動かしてしまったことも事実。
「異なる作品を同じ世界観で描く」という作品作りの先駆けです。
後を追うように、いくつかの映画会社は既にこの作品作りに取り組んでいます。
ワーナーはゴジラ(2014)の公開後、テコ入れでモンスター・バースを立ち上げ、2017のキングコングを公開、今後2作公開予定でやや順調の足取り。
ユニバーサルはダーク・バースを立ち上げ、マミー(2017、副題略)を公開するも、大コケでで絶賛瀕死中。ふざけんな。
そしてワーナーがもう一つ、MCUより先に企画していたのに、それの金魚のフン扱いされている(実際そうですけど)、DCエクステンデッド・ユニバースは、これまでに5本の映画を公開し、ほとんどが興収だけはいい結果となり、無理やりなテコ入れが目立つものの、なかなかの良い足取り。
ダーク・ユニバースは論外としても、ワーナーのユニバースはMCUのスピードにこそ全くついて行けていませんが、どちらも良い感じにスタートダッシュができていると思います。
このシリーズの個人的に気に入っている事は、他作品のヒーローとのタイアップを無理にやろうとしないという事です。
スパイダーマンではアイアンマン、ソー3ではDr.ストレンジとハルクのタイアップがありました。
アイアンマンもハルクも、無理やりなこじつけはせず、しっかりとした理由がある形で、程よく脇を固めて活躍してくれます。オマケ程度で登場するストレンジも、ちゃんと本筋に関わる形で登場しますし、登場シーンでさり気なく世界観を広げてもいます(そんな気がするだけ)。
スパイダーマンを観る前の私みたいに「メインでもないのに他作品のキャラクターが出しゃばんなよ!!」と思ってしまっていても、タイアップするシーンは印象的で後の展開に深く関係するので、結局「イイシーンダッタナー」ってなるんです。
このシリーズ、個々の作品ごとであれば、色々褒めたい所はあります。
しかし、シリーズ全体としてしまえば、不満が、わんさか出てきます。
上で書いたように、各作品ごとに世界観にバラツキがあったり、大物であろうと大抵が使い捨てヴィランになってしまっていたり、アイアンマンをひいきしすぎていたり。
特に使い捨てヴィランについて。
ブラックパンサーのキルモンガーやスパイダーマンのヴァルチャーという『悪者としての誇り』を持つ者や、ウィンターソルジャーというキャラクターそのものに魅力のある者など、良い使い捨て(凄く嫌な言い方ですね)はいます。
しかし、ただ単に敵でしかない、つまり主人公にとって壁だとか目標だとかにならならず、クライマックスやオープニングでぶっ倒されるだけの存在になっているのがちょこちょこいるんです。
強大なパワーを持つスーパーヴィランという要素だけでも、それなりにインパクトはありますが、『それなり』止まりで終わってしまい、「結局お前は何だったんだ」というカンジで終わってしまいます。
ましてや、既に19作も映画を公開させてしまえば、ヴィランが『惑星がごはんの宇宙人』だろうが、『腕からビームを出せるだけの小物』だろうが、与えられるインパクトは同じになってしまっているでしょう。
元々のネームバリューや、キャラクターの過去と動機にインパクトがなければ、かのサノスだってただの紫色のムキムキハゲにしか見えません。
だからこそアベンジャーズ3の予告で、サノスの過去に何かしらがあったかのような、思わせぶりなシーンがあるんですね。
これからのMCUに求めることは、登場させるスーパーヴィランを、如何にして上手く料理し、上手く長持ちさせ、上手く殺すかです。
アメコミはヴィランにもヒーローと同等の魅力があるキャラクターが多いです。
だからこそ、使い捨てにしてしまうにはもったいないんです。
これまでのシリーズにも、「ここで殺すのか ・・・」っていうヴィランはいくつかいます。
しかも、なんとも可愛そうな死に方をするヴィランも少なくはなく、そういうのは観る度あまりいい気にはなれません。
使い捨てとはいえ、出るからにはちゃんとカッコよく死んでほしいし、それ以前にそう簡単に死んでほしくないんです。
このシリーズ、好きか嫌いか問われたら「好き」と答えます。
ただ、面白いか、オススメかと問われると、「いいえ」と答えます。・・・で、それに加えて「これからどんどん作品が増えて余計シリーズに触れにくくなるから、観たけりゃ今のうちにバンバン観てけ」と言います。
ビッグネームなシリーズですが、正直、そうそう興味のない限り別に観なくてもいいよってカンジです。
特別内容の濃い作品もあるわけではないですし、シリーズで一番好きなキャプテンアメリカ2だって、別にこれまでに観てきた映画でダントツおもしろいワケではないです。
実際、そこまで良くない作品をゴリ押しで公開し続けて今に至るワケですから、当然シリーズを順にたどって観るならば拷問みたいなもんです。
また、わざわざシリーズ全部観なくても、ネットでネタバレが溢れかえっているわけですから、それで情報を補完して、気になったやつだけ観ておけばいいんです。
それくらいゆるーく観ておけばいいですし、詳しくMARVEL知りたければ、それこそアメコミの翻訳本を買った方が楽しいです。
実は、そろそろこのシリーズ、興味がある人は早いうちに観始めてしまったほうがいいんです。
なにゆえ、ついに強敵・サノスとの対決が近づく中、世界観への大規模なテコ入れも始まっているんです。
これからの公開スケジュールから考えると、これから先、新ヒーローの誕生を容易にできるよう、世界観を広げようとする意思がよく伝わる・・・・ような気がします。
Dr.ストレンジやスパイダーマン、ブラックパンサーにキャプテン・マーベルといった、有名なキャラクターでありながらも実写化には恵まれていなかったキャラクター達(一人意味が違いますが)の参戦。
既にヒーロー達が、実写映画シリーズとしては驚異のスピードで増えています。
つまり、情報量の増加。
世界観が広がるせいで、既に多い設定が、余計に増えてややこしくなるワケです。
元からいわゆる『マルチバース』を活かしているソーシリーズとGotGとDr.ストレンジ、計6作だけで、あれだけMCUの世界観の広さを拡張させてしまったわけですし、これから先どうなることやら・・・。おなかいたいです。
大型なシリーズ故微妙な作品が目立つこのMCU。
微妙という評価のラインを超えられないまま、サノスとの対決にたどり着いてしまったことは正直驚きです。
これ絶対面白いやつじゃん!!
そういう期待を裏切るように微妙な出来の作品を作り続けてしまっていて、結局アベンジャーズ3の公開が近い今、私自身そこまでテンションが上がっていないのも事実です。
好きなシリーズ故に期待値も無駄に高く持ちすぎてしまっているのは自覚しています。
期待値を低くして観に行くと、このシリーズは結構楽しめるんだど思います。実際、全く期待していなかったソー3は意外とおもしろかったですし。
これから先の作品も、あまりアレコレ考えずに観に行くべきなのでしょう。
いつの間にやらアベンジャーズ3公開まで一週間。
嬉しいような悲しいような、楽しみなような不安なような。
とりあえず、アイアンマンひいきが無い事を祈り、誰が死ぬのかソワソワしながら待とうと思います。
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ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル
当時大ヒットを記録した、あの最先端エンターテインメント映画が帰ってきた!!
\マジジュ卍/
リメイクやリブートかと思ったらまさかの続編だったぞ!!
\マジジュ卍/
久しぶりにバカ映画がIMAXで上映だぞ!!
\マジジュ卍/
アメリカからかなり遅れて、ついに日本でも公k(爆発)
『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』
同じ高校に通う4人の居残り組が、部屋の中に紛れていたゲーム機と『ジュマンジ』と書かれたゲームソフトを発見する。
彼らがゲームを起動させた時、とんでもないことが起きた!!!
なんと彼らは、ゲーム『ジュマンジ』の世界へ飛ばされてしまったのだ!!!
現実とは全く違う姿となってしまった4人。ライフは3つ。
ゲームをクリアして現実世界へ戻るのだ!!!
待ってましたよ、この手の映画。
お金がかかっていれば、アクション映画ですらリアリティを追求させなければいけないというこのご時世。「そんなもんクソ食らえ」とでも言わんばかりにやってきたのが今作です。
ホントもう、キャッチコピーに嘘偽りなくマジジュ卍な内容でした。
ジャンルとしてはアクション・アドベンチャーのアドベンチャー寄りと言う所。
意外にも作中には『主人公が敵勢力に立ち向かう』という要素は少なく、高校生達が困難な試練の数々に直面しドタバタするという、つまりは『逃げ』の要素が強い感じでした。
最初は「えっ?」となりますが、観ていくと「あのメンツなら『逃げ』に徹するよね」となります。
そりゃそう、プレイヤー4人は、
・オタクのスペンサー(男)
・↑の友人なのか何なのかよく分からないけど幼馴染ではあるフリッジ(男)
・ぼっちのマーサ(女)
です。
そんな彼らがゲームの世界に飛ばされたからって、そんなことしませんよね。
ともかく、そんな『逃げ』の要素ですが、これがおもしろいことおもしろいこと。
4人の内半分はサポートメインのキャラで、もう半分はバトルメインのキャラ。サポート担当は分かりますが、バトル担当も一緒に必死になって逃げるシーンは、なんか物凄い間抜けな感じでした。
特に主人公のオタクがなったドウェイン・ジョンソンなんて、あんなムキムキでタトゥーを入れて、キャラ内で最強でありがら、メンバー内で一番のビビりという頼りなさ。
ワイスピも観たことないですし、ドウェイン出演の映画も記憶では今作は初めてですが、あのナリから醸し出す威圧感に対してのあの頼りなさのギャップはすさまじいです。
他の3人もなかなかのもんで、大柄で体育会系のフリッジとモサモサ雰囲気なマーサは真逆な姿に。
それはまだしも、体型維持とかわいさを追求しまくっているベサニーなんて、中年太りのおっさんという、もはや誰も得しない性転換を果たしてしまいます。
姿が変わって、ゲームキャラになってしまった彼ら。
アクションゲームなら当たり前のようにある『ステータス』を駆使してゲームクリアを目指すわけです。
ゲームっぽいわざとらしいキャラ紹介のおかげで、そんなシーンの数々すべてがおもしろく壮快でした。
「ライフが3つ」=「2回はコンティニューできる」という設定もありますので、キャラが死ぬ度ハラハラドキドキ感が変わってくるというのも、なんか食べ比べしているみたいで楽しかったです。
そういうステータスは各キャラ唯一無二の物なので、各キャラそれぞれちゃんと見せ場があり、置いてけぼりにされるキャラが1人もいないのは素晴らしいと思います。
それに、4人それぞれ、現実とは真逆の存在になってしまったことによる「自分に足りないもの」とか、「無意識に抱いてしまっていた感情」が浮き彫りになり、それらを共有しあうことで絆が深まっていくという内容もありました。こういう寄せ集めのメンバー系のアドベンチャー映画ではよくあることですが、なぜか今作は他と比べ物にならないほど芯が通っていました。
それもそのはず。ちゃんと手順を踏んでいるんです。1人が何の前触れも無く立ち上がって~とか、困難の中無意識に協力し合っていたり~とかトートツなものではなく、異なる意志が通じ合い、少しづつ絆が深まっていくというものなんです。
箸休め的な要素なんでしょうけど、それでもストーリー性をないがしろにしないのは凄くビックリしました。
また、『ステータス』の中には意味不明なものもちょこちょこあり、そういうのをネタにしたギャグシーンもいっぱいありました。
っていうか、そういうシーンにめっちゃくちゃ時間を費やしています。
一部の人にしか伝わらないとは思いますが、分かりやすく言うと、物凄い予算をもらった勇者ヨシヒコと言う感じ。
凄いお金がかかっているのは分かるんですけど、終始ノリが完全に『そっち』の方向で、「それがやりたかっただけ」なステータスがある事とかも、ヨシヒコそのものでした。
コメディ要素の強い映画でも、結局終盤でシリアス路線になってしまうようなもんですが、今作は「そんなセオリー通りには行かねぇぜ!!」という意志がよく伝わる作品になっていました。
今作、一見頭の悪い(良い意味)アクション映画ですが、すべての出来事に理由付けがされていて、とても丁寧な作品だと思いました。
少々回りくどいなと思ってしまう序盤にあるシーンも、結果的に後の展開の要因になっていて、そういったさり気無い伏線的な何かのバラまき方も上手でした。
こういう映画としては珍しいですよね。久しぶりのバカ映画だと思えば、実は展開1つ1つに意味を持たせている丁寧な作品だったので、良い意味で裏切られました。
丁寧な作品作りが結果的にキャラの成長を明確にしてまいすし、ギャグシーンもちゃんと面白い・楽しいと思えるようになっていますし、今作はバカ映画の中ではかなり主張の激しい映画だと思います(要は芯の通った映画らしい映画)。
丁寧な作品であっても、バカ映画らしくストーリーの内容は薄いですし、都合の良い物理法則とかも守って(?)いますし・・・・・正直悪いとこを挙げようにも挙げられませんし、挙げたとしても単なるいちゃもんにしかなりません。
それだけ出来の良い作品です。マジジュ卍です。
マジジュ卍です。
こういうバカ映画はホントに頭の中のリフレッシュになります。
何より、前に映画館で観た映画が悪い意味で自己主張の激しい映画だったので(ブログに記事は書いていません)、余計に楽しめましたし気分もスッキリでした。
それに上で書いたように、バカ映画とは思えない程芯の通った無駄に素晴らしい作品になっているので、観ごたえもたっぷりでした。
アツい展開盛りだくさんで、クライマックスの空振りの一切無い迫力のある展開は叫びそうになるくらいに興奮モノでした。
ただ、何故か今月はIMAX上映の作品が毎週公開されるので、興奮のあまり私の頭が持つかどうか心配で・・・・・。