えいがきのえいが【90年代生まれ視点の映画レビュー】

90年代生まれ視点の映画レビュー 当ブログは個人的な意見をバカ正直に綴ったもので、映画の品質を保証するものでもありません。映画を否定しても、その映画に関わった人物を否定しているのではありません。例え人をバカにしても、それはその人を尊重した上での行為です。

【5年待ったのに何だこれ】パシフィック・リム アップライジング

2013年、人類と怪獣との熱いバトルを描いた『パシフィック・リム』の続編。 製作が停止したり、前作の監督が今作の監督を降板して制作に回ったり、制作会社のレジェンダリーが経営難になったりと、不運が続くも、5年という長いブランクを経てついに続編が公開!!


パシフィック・リム: アップライジング(オリジナル・サウンドトラック) こうもまぁカタカナが似合う洋画は珍しい。


舞台は前作から10年後。 人類が作り上げた巨大ロボット『イェーガー』と怪獣との戦争が終結し、復興の道を行く人類。 しかし、人類に再び魔の手が近づくのであった・・・・!!!


残念ながら、前作のキャストはほとんど登場せず、主人公も前作の司令官の息子です。 前作の主人公は一切登場せず、前作からは、ヒロインの森・マコと博士二人。

そんなこんなで今作は前作とは全く違った視点で描かれる・・・・と詳しい情報が公開される前から話はありました。

実際、予告の地点でもわかる通り、作風もイェーガーのデザイン性も変わっています。 前作ではギレルモ・デル・トロのオタク魂が炸裂していましたが、今作では主演のジョン・ボイエガが制作にも携わっていて、他にも多くの人が制作として集められました。 この大きく変化した制作陣が、前作とは違ったオタクっぽい映画をどう創り上げるのか。そういった期待値と不安が入り交ざっていたのが、今作が公開されるまでの間の印象です。


少し遅れて、ついに日本でも公開されました。

するとなんということでしょう。 ・・・あれ? ・・・っていう印象の映画になっていました。

なんか、前作で良かった要素が何故か無くなっていて、代わりに別に求めていない要素が加えられていた。そんな感じです。

まず、イェーガーについてですが、スタイリッシュなフォルムになって、動きも俊敏になっているんです。 続編ですし、10年後の物語ですし、前作から無意味にパワーアップすることは当たり前ですよね。ただ、ちょっとやりすぎなんです。 そもそも、前作ではあのトロい戦闘は否定されていませんし、むしろそこに魅力を感じていた人も多かったと思います。ですので、別にパワーアップって言っても、ハイテク武装がいっぱい追加されたってくらいで良かったんです。 前作の主人公機『ジプシー・デンジャー』のバージョンアップ版である、今作の『ジプシー・アベンジャー』は、核融合炉が2つになり、顔も攻撃的になりました。しかし、能力的にはただ俊敏になって、武装の追加も1つだけ。装甲なんかはむしろ弱くなってるんじゃないか?そんな印象がありました。

次に、ストーリーとアクションのバランス。 前作では、このバランスのとり方がとても上手かったんですが、今作はストーリーに偏り過ぎていたと思います。 実際の所前作と今作はストーリーとアクションの比率は同じくらいなんだと思います。しかし、今作には序盤の盛り上げになるシーンが無く、それのせいで前作のようなアクションの合間にあるワクワク感がありませんでした。 また、せっかくストーリーでじらしてきたバトルシーンも、かなりのワンパターンぶりで、迫力に興奮するようなシーンも正直ありませんでした。 結局映画好きな人に向けた作品なのか、ロボット怪獣特撮大好きなオタクに向けた作品なのかが分からない出来になっていました

重きをかけ過ぎた今作のストーリーですが、前作と同様キャラクターの過去、記憶についての描くんですが、それがもう1作目の2番煎じみたいな感じなんです。 シチュエーションと人物は違えど、『ヒロインの過去にあった悲劇』はすでにやりましたし、それを乗り越える流れも1作目に似ているんです。 どうせやるなら全く違う『過去にあった悲劇』を描くべきでしたよね。


決して悪い映画ではないですし、ワンパターンなアクションもちゃんとカッコいいです。 ただ、前作から背伸びしすぎていて、やること成すことが3作目みたいなんです。

意外と地味で、のそのそ戦ってこそパシリム。 そういうイメージを払拭したい気持ちも分からないこともないですが、2作目であそこまで作風が変えてしまうのは、ちょっと違う気がします。


今作、コクピットの描写も残念な出来になっていて、バージョンアップで簡易化・・・・したんだと言えば良く聞こえますが、なーんか工夫が足りないんです。 そりゃまあ、前作のコクピットのシーンは変態かってくらいのこだわりっぷりでしたから、今作にはそこまでは求めていないです。 ただ、私は前作のコクピットでガッシャンガッシャンしてイェーガーがガッコンガッコン動いてエルボーロケットオオオアアアアアアア!!!!!するのが大好きでしたから、今作にもそういうシーンが欲しかったんです。 ただ、今作にはそんな感じの、つまりスーパー戦隊みたいな感じが無く、ガンダムみたいに「よし、これで攻撃するぞ!それー!」みたいな感じで、とてもアツいバトルとは言える代物ではなかったです。 重力操作してガンダムハンマー武器を生成してGRAVITY DAZEごっこ攻撃するシーンも、もっとうまくできたはずでは・・・とかも思います。


今作、あのバンダイが気合を入れていたりしていますし、前作とのブランクが大きかった分、今作への無駄な期待値が大きかったんだと思います。

ストーリーそのものは好きなんです。あまり根元に迫らないあの描き方は大好物です。 ただ、それは私がパシリムみたいなオタク向け怪獣映画に求める要素ではないんです。 私が見たかったのは、ただ単にコクピットでガッシャンガッシャンしてイェーガーがガッコンガッコン動いてエルボーロケットオオオアアアアアアア!!!!!する映画です。 それに飾り程度のストーリーと死人がいれば充分なんです。

作中「あーコレ意識してるなぁ」ってニヤニヤする描写があるんですが、ストーリーに重きを置いている為か、全部が志半ばで終わっていて、オマージュというより、ただの劣化パクリみたいな感じになっていました。

バカの一つ覚えみたいに、何でもかんでもシリアスにしたがるこのご時世。まんまとその波に飲まれてしまってます。


いい作品ではあるのはうっすら感じます。 ただ、パシリムの正当な続編としては、正直つまらないです。

流石レジェンダリー!昼間のCG映像とかどんだけこだわってんだよ!! ・・・とは思いますが、ストーリーが前作の焼き直しですし、アクションも盛り上がりの無いブンドドを見せられている感じです。

映像技術が凄くても、それ以外がダメダメ。 結果的に興奮するようなバトルシーンや印象に残るシーンが全く無く、記憶に残らない大傑作でもクソ映画でも普通でも無い何がになっています。

私が「こういうのを観たい!!」って思っていたものを、悪い風に真っ向から否定してくるような内容でした。 これはスースクと同じ感じですね。

ギレルモ・デル・トロの発言から考えると、次回作(があれば)でパシリムは完結でしょう。

あの世界観はアップライジング程度ではもったいないですし、今後の展開に期待したいと思います。

パシフィック・リム アップライジング

パシフィック・リム アップライジング

マーベル・シネマティック・ユニバースに思うこと

The Road to Marvel's Avengers: Infinity War - The Art of the Marvel Cinematic Universe (Road to Marvel's Avengers - Infinity War)

アベンジャーズ インフィニティ・ウォーの公開が間近となり、その次回作、アントマン&ワスプの宣伝も始まってきた、今年で10周年のマーベル・シネマティック・ユニバース。

アイアンマン(2008)の頃の地味さは嘘のよう(日本ではハルクの方が先でしたが)、オタク向けシリーズから、今では多くのファンからの支持を得ているシリーズとなっています。

現在名古屋ではマーベル展が開催されていて、私もそこに行ってキャプテンアメリカのスーツを見てハァハァしていました。


2012のアベンジャーズ以降どんどん勢いを増し、頑固なSONYピクチャーズすら黙らせてしまったこのシリーズ。

2回目になってしまいますが、スパイダーマン公開からまた心境も変わっている気もしますし、いい機会なのでMCUについて再び書いていきたいと思います。





2008にアイアンマンからシリーズが始まり、クソか微妙を連発した後、キャプテンアメリカ2でアクションスリラーとして素晴らしいものを世に送ってくれました。

しかし、それより後は、クソは無くなったものの、微妙なものばかり。

強敵ウルトロンとの戦いを描くアベンジャーズ2も前作の焼き増しのような内容でしたし、アベンジャーズの分裂を描いたシビル・ウォーもそれほどシビル・ウォーしていなく、微妙な出来になっていました。

この頃以前からほのめかされていた今度公開のアベンジャーズ3への期待値が下がっていく中、スパイダーマンブラックパンサーという素晴らしい映画を作り上げ・・・・・そして今に当たります。




振り返ってみると、とんでもない規模でありながらも、作品を総合して考えてしまうと大変微妙なシリーズです。

これだけ続けてしまうと、やはり個々の作品ごとに世界観にバラツキがあり、とても同じ世界のストーリーとは思えないものが多々あると思います。

では、なぜこんなにも微妙なシリーズが10年も続けられているのでしょうか・・・。


考えてみると、これってつまり、『MCU』だから観ている、こういう人が多いのが原因の一つだと思います。

たとえ作品からおもしろくなさそうな臭いがプンプンしていたとしても、どこかしら期待して観に行ってしまうんでしょう。

それに、どれだけクソな内容だったとしても、各作品に必ずこれからの展開の伏線があるワケなので、そういうのを早く見たい!見逃したくない!!ネタバレされたくない!!!っていう感情になってしまうのもまた原因の一つなんでしょうね。


こうやってファンを
『観に行く→微妙→しかし、いやらしい伏線のせいで次回作への期待値が上がる→観に行く・・・・』
の悪循環に陥れることに成功した事が、シリーズの継続に繋がっているのではないでしょうか。

そうでもなければ、超マイナーヒーローチームや、たったの10年で三度もリブートをしてしまったスパイダーマンが売れるハズがありません。


まさに継続は力なり。
賭けと言わんばかりに制作されたアイアンマンが運良く成功し、見事なスタートダッシュの後に見事ズッコケる(評価的な意味)ものの、アベンジャーズまで粘って・・・・。そしていつの間にやら何を出しても成功してしまう程のシリーズに。
現在ではもはや007やスター・ウォーズのネームバリューに負けないと言っても良いでしょう。
っていうよりも、たったの10年で(ブラックパンサーまでで)映画を18本とドラマを計○○シーズン(数えたくない)も作ってしまうというのはもはや狂気としか思えません。

また、継続したことによって、映画業界そのものを動かしてしまったことも事実。
「異なる作品を同じ世界観で描く」という作品作りの先駆けです。
後を追うように、いくつかの映画会社は既にこの作品作りに取り組んでいます。

ワーナーはゴジラ(2014)の公開後、テコ入れでモンスター・バースを立ち上げ、2017のキングコングを公開、今後2作公開予定でやや順調の足取り。

ユニバーサルはダーク・バースを立ち上げ、マミー(2017、副題略)を公開するも、大コケでで絶賛瀕死中。ふざけんな。

そしてワーナーがもう一つ、MCUより先に企画していたのに、それの金魚のフン扱いされている(実際そうですけど)、DCエクステンデッド・ユニバースは、これまでに5本の映画を公開し、ほとんどが興収だけはいい結果となり、無理やりなテコ入れが目立つものの、なかなかの良い足取り。


ダーク・ユニバースは論外としても、ワーナーのユニバースはMCUのスピードにこそ全くついて行けていませんが、どちらも良い感じにスタートダッシュができていると思います。




このシリーズの個人的に気に入っている事は、他作品のヒーローとのタイアップを無理にやろうとしないという事です。

スパイダーマンではアイアンマン、ソー3ではDr.ストレンジとハルクのタイアップがありました。
アイアンマンもハルクも、無理やりなこじつけはせず、しっかりとした理由がある形で、程よく脇を固めて活躍してくれます。オマケ程度で登場するストレンジも、ちゃんと本筋に関わる形で登場しますし、登場シーンでさり気なく世界観を広げてもいます(そんな気がするだけ)。

スパイダーマンを観る前の私みたいに「メインでもないのに他作品のキャラクターが出しゃばんなよ!!」と思ってしまっていても、タイアップするシーンは印象的で後の展開に深く関係するので、結局「イイシーンダッタナー」ってなるんです。




このシリーズ、個々の作品ごとであれば、色々褒めたい所はあります。
しかし、シリーズ全体としてしまえば、不満が、わんさか出てきます。

上で書いたように、各作品ごとに世界観にバラツキがあったり、大物であろうと大抵が使い捨てヴィランになってしまっていたり、アイアンマンをひいきしすぎていたり。


特に使い捨てヴィランについて。

ブラックパンサーのキルモンガーやスパイダーマンのヴァルチャーという『悪者としての誇り』を持つ者や、ウィンターソルジャーというキャラクターそのものに魅力のある者など、良い使い捨て(凄く嫌な言い方ですね)はいます。

しかし、ただ単に敵でしかない、つまり主人公にとって壁だとか目標だとかにならならず、クライマックスやオープニングでぶっ倒されるだけの存在になっているのがちょこちょこいるんです。

強大なパワーを持つスーパーヴィランという要素だけでも、それなりにインパクトはありますが、『それなり』止まりで終わってしまい、「結局お前は何だったんだ」というカンジで終わってしまいます。
ましてや、既に19作も映画を公開させてしまえば、ヴィランが『惑星がごはんの宇宙人』だろうが、『腕からビームを出せるだけの小物』だろうが、与えられるインパクトは同じになってしまっているでしょう。

元々のネームバリューや、キャラクターの過去と動機にインパクトがなければ、かのサノスだってただの紫色のムキムキハゲにしか見えません。
だからこそアベンジャーズ3の予告で、サノスの過去に何かしらがあったかのような、思わせぶりなシーンがあるんですね。


これからのMCUに求めることは、登場させるスーパーヴィランを、如何にして上手く料理し、上手く長持ちさせ、上手く殺すかです。

アメコミはヴィランにもヒーローと同等の魅力があるキャラクターが多いです。
だからこそ、使い捨てにしてしまうにはもったいないんです。
これまでのシリーズにも、「ここで殺すのか ・・・」っていうヴィランはいくつかいます。
しかも、なんとも可愛そうな死に方をするヴィランも少なくはなく、そういうのは観る度あまりいい気にはなれません。

使い捨てとはいえ、出るからにはちゃんとカッコよく死んでほしいし、それ以前にそう簡単に死んでほしくないんです。




このシリーズ、好きか嫌いか問われたら「好き」と答えます。
ただ、面白いか、オススメかと問われると、「いいえ」と答えます。・・・で、それに加えて「これからどんどん作品が増えて余計シリーズに触れにくくなるから、観たけりゃ今のうちにバンバン観てけ」と言います。


ビッグネームなシリーズですが、正直、そうそう興味のない限り別に観なくてもいいよってカンジです。

特別内容の濃い作品もあるわけではないですし、シリーズで一番好きなキャプテンアメリカ2だって、別にこれまでに観てきた映画でダントツおもしろいワケではないです。

実際、そこまで良くない作品をゴリ押しで公開し続けて今に至るワケですから、当然シリーズを順にたどって観るならば拷問みたいなもんです。

また、わざわざシリーズ全部観なくても、ネットでネタバレが溢れかえっているわけですから、それで情報を補完して、気になったやつだけ観ておけばいいんです。

それくらいゆるーく観ておけばいいですし、詳しくMARVEL知りたければ、それこそアメコミの翻訳本を買った方が楽しいです。




実は、そろそろこのシリーズ、興味がある人は早いうちに観始めてしまったほうがいいんです。


なにゆえ、ついに強敵・サノスとの対決が近づく中、世界観への大規模なテコ入れも始まっているんです。

これからの公開スケジュールから考えると、これから先、新ヒーローの誕生を容易にできるよう、世界観を広げようとする意思がよく伝わる・・・・ような気がします。

Dr.ストレンジやスパイダーマンブラックパンサーキャプテン・マーベルといった、有名なキャラクターでありながらも実写化には恵まれていなかったキャラクター達(一人意味が違いますが)の参戦。
既にヒーロー達が、実写映画シリーズとしては驚異のスピードで増えています。

つまり、情報量の増加。
世界観が広がるせいで、既に多い設定が、余計に増えてややこしくなるワケです。

元からいわゆる『マルチバース』を活かしているソーシリーズとGotGとDr.ストレンジ、計6作だけで、あれだけMCUの世界観の広さを拡張させてしまったわけですし、これから先どうなることやら・・・。おなかいたいです。




大型なシリーズ故微妙な作品が目立つこのMCU

微妙という評価のラインを超えられないまま、サノスとの対決にたどり着いてしまったことは正直驚きです。

これ絶対面白いやつじゃん!!
そういう期待を裏切るように微妙な出来の作品を作り続けてしまっていて、結局アベンジャーズ3の公開が近い今、私自身そこまでテンションが上がっていないのも事実です。

好きなシリーズ故に期待値も無駄に高く持ちすぎてしまっているのは自覚しています。
期待値を低くして観に行くと、このシリーズは結構楽しめるんだど思います。実際、全く期待していなかったソー3は意外とおもしろかったですし。

これから先の作品も、あまりアレコレ考えずに観に行くべきなのでしょう。




いつの間にやらアベンジャーズ3公開まで一週間。
嬉しいような悲しいような、楽しみなような不安なような。
とりあえず、アイアンマンひいきが無い事を祈り、誰が死ぬのかソワソワしながら待とうと思います。


あとMovieNEXやめて

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル

当時大ヒットを記録した、あの最先端エンターテインメント映画が帰ってきた!!

\マジジュ卍/

リメイクやリブートかと思ったらまさかの続編だったぞ!!

\マジジュ卍/

久しぶりにバカ映画がIMAXで上映だぞ!!

\マジジュ卍/

アメリカからかなり遅れて、ついに日本でも公k(爆発)

ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』

 

 


 

 

Jumanji: Welcome to the Jungle (Original Motion Picture Soundtrack)

 

 


 

 

同じ高校に通う4人の居残り組が、部屋の中に紛れていたゲーム機と『ジュマンジ』と書かれたゲームソフトを発見する。

彼らがゲームを起動させた時、とんでもないことが起きた!!!

なんと彼らは、ゲーム『ジュマンジ』の世界へ飛ばされてしまったのだ!!!

 

現実とは全く違う姿となってしまった4人。ライフは3つ。

ゲームをクリアして現実世界へ戻るのだ!!!

 

 


 

 

待ってましたよ、この手の映画。

お金がかかっていれば、アクション映画ですらリアリティを追求させなければいけないというこのご時世。「そんなもんクソ食らえ」とでも言わんばかりにやってきたのが今作です。

ホントもう、キャッチコピーに嘘偽りなくマジジュ卍な内容でした。

 

 

ジャンルとしてはアクション・アドベンチャーのアドベンチャー寄りと言う所。

意外にも作中には『主人公が敵勢力に立ち向かう』という要素は少なく、高校生達が困難な試練の数々に直面しドタバタするという、つまりは『逃げ』の要素が強い感じでした。

 

最初は「えっ?」となりますが、観ていくと「あのメンツなら『逃げ』に徹するよね」となります。

そりゃそう、プレイヤー4人は、

・オタクのスペンサー()

・↑の友人なのか何なのかよく分からないけど幼馴染ではあるフリッジ()

スマホ依存症の現代っ子ベサニー()

・ぼっちのマーサ()

です。

そんな彼らがゲームの世界に飛ばされたからって、そんなことしませんよね。

 

ともかく、そんな『逃げ』の要素ですが、これがおもしろいことおもしろいこと。

4人の内半分はサポートメインのキャラで、もう半分はバトルメインのキャラ。サポート担当は分かりますが、バトル担当も一緒に必死になって逃げるシーンは、なんか物凄い間抜けな感じでした。

特に主人公のオタクがなったドウェイン・ジョンソンなんて、あんなムキムキでタトゥーを入れて、キャラ内で最強でありがら、メンバー内で一番のビビりという頼りなさ。

ワイスピも観たことないですし、ドウェイン出演の映画も記憶では今作は初めてですが、あのナリから醸し出す威圧感に対してのあの頼りなさのギャップはすさまじいです。

 

他の3人もなかなかのもんで、大柄で体育会系のフリッジとモサモサ雰囲気なマーサは真逆な姿に。

それはまだしも、体型維持とかわいさを追求しまくっているベサニーなんて、中年太りのおっさんという、もはや誰も得しない性転換を果たしてしまいます。

 

 


 

 

姿が変わって、ゲームキャラになってしまった彼ら。

アクションゲームなら当たり前のようにある『ステータス』を駆使してゲームクリアを目指すわけです。

ゲームっぽいわざとらしいキャラ紹介のおかげで、そんなシーンの数々すべてがおもしろく壮快でした。

「ライフが3つ」=2回はコンティニューできる」という設定もありますので、キャラが死ぬ度ハラハラドキドキ感が変わってくるというのも、なんか食べ比べしているみたいで楽しかったです。

 

そういうステータスは各キャラ唯一無二の物なので、各キャラそれぞれちゃんと見せ場があり、置いてけぼりにされるキャラが1人もいないのは素晴らしいと思います。

それに、4人それぞれ、現実とは真逆の存在になってしまったことによる「自分に足りないもの」とか、「無意識に抱いてしまっていた感情」が浮き彫りになり、それらを共有しあうことで絆が深まっていくという内容もありました。こういう寄せ集めのメンバー系のアドベンチャー映画ではよくあることですが、なぜか今作は他と比べ物にならないほど芯が通っていました

それもそのはず。ちゃんと手順を踏んでいるんです。1人が何の前触れも無く立ち上がって~とか、困難の中無意識に協力し合っていたり~とかトートツなものではなく、異なる意志が通じ合い、少しづつ絆が深まっていくというものなんです。

箸休め的な要素なんでしょうけど、それでもストーリー性をないがしろにしないのは凄くビックリしました。

 

 

 

また、『ステータス』の中には意味不明なものもちょこちょこあり、そういうのをネタにしたギャグシーンもいっぱいありました。

っていうか、そういうシーンにめっちゃくちゃ時間を費やしています

一部の人にしか伝わらないとは思いますが、分かりやすく言うと、物凄い予算をもらった勇者ヨシヒコと言う感じ。

凄いお金がかかっているのは分かるんですけど、終始ノリが完全に『そっち』の方向で、「それがやりたかっただけ」なステータスがある事とかも、ヨシヒコそのものでした。

コメディ要素の強い映画でも、結局終盤でシリアス路線になってしまうようなもんですが、今作は「そんなセオリー通りには行かねぇぜ!!」という意志がよく伝わる作品になっていました。

 

 


 

 

今作、一見頭の悪い(良い意味)アクション映画ですが、すべての出来事に理由付けがされていて、とても丁寧な作品だと思いました。

少々回りくどいなと思ってしまう序盤にあるシーンも、結果的に後の展開の要因になっていて、そういったさり気無い伏線的な何かのバラまき方も上手でした。

 

こういう映画としては珍しいですよね。久しぶりのバカ映画だと思えば、実は展開11つに意味を持たせている丁寧な作品だったので、良い意味で裏切られました。

丁寧な作品作りが結果的にキャラの成長を明確にしてまいすし、ギャグシーンもちゃんと面白い・楽しいと思えるようになっていますし、今作はバカ映画の中ではかなり主張の激しい映画だと思います(要は芯の通った映画らしい映画)

 

丁寧な作品であっても、バカ映画らしくストーリーの内容は薄いですし、都合の良い物理法則とかも守って(?)いますし・・・・・正直悪いとこを挙げようにも挙げられませんし、挙げたとしても単なるいちゃもんにしかなりません。

 

それだけ出来の良い作品です。マジジュ卍です。

マジジュ卍です。

 

 


 

 

こういうバカ映画はホントに頭の中のリフレッシュになります。

何より、前に映画館で観た映画が悪い意味で自己主張の激しい映画だったので(ブログに記事は書いていません)、余計に楽しめましたし気分もスッキリでした。

 

それに上で書いたように、バカ映画とは思えない程芯の通った無駄に素晴らしい作品になっているので、観ごたえもたっぷりでした。

 

アツい展開盛りだくさんで、クライマックスの空振りの一切無い迫力のある展開は叫びそうになるくらいに興奮モノでした。

 

 

ただ、何故か今月はIMAX上映の作品が毎週公開されるので、興奮のあまり私の頭が持つかどうか心配で・・・・・。


Jumanji: Welcome to the Jungle (Original Motion Picture Soundtrack)

Jumanji: Welcome to the Jungle (Original Motion Picture Soundtrack)

Welcome To The Jungle

Welcome To The Jungle

ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングルと言えばアレっすよね!!!GTA:SAのラジオとニコ動のちんk(ry

【浅倉リクという青年の成長劇】劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!

ウルトラマンベリアルの息子という驚きの設定に、これまでの主役ウルトラマン想をぶち壊した驚きのデザインが話題となった、ウルトラマンジードの劇場版。
毎年恒例のウルトラマンの劇場版ですね。


ウルトラマンベリアルの脅威が去った、地球を守るウルトラマンがジード一人になってしまった地球に、再び脅威が訪れる。

突如現れたギャラクトロンMK2。立ち向かうはウルトラマンジードこと朝倉リク。しかし、彼はこれからは一人で戦わなければいけないというプレッシャーに押され・・・。



ウルトラマンジード Blu-ray BOX II



昨年はウルトラマンオーブの集大成的作品となっていましたが、今作は集大成というより、朝倉リクの成長劇の終着点、というカンジでした。

TVシリーズでは、ウルトラマンベリアルの息子である故の宿命に立ち向かう話が本筋であったため、朝倉リクというキャラクターの成長はあまり描かれていませんでした・・・・ような気がします。

ベリアルを倒したとはいえど、主人公補正で倒せただけでりっくんはまだ未熟で弱っちいウルトラマンです。
最初から最後まで若気の至りを絵に描いたような行動をしていたりっくんです。
そういった『TVシリーズではあまり進まなかった事柄』を補完するのが今作です。


要は劇場版仮面ライダーエグゼイドと同様の扱いでしょうか。真の最終回とか何とか。


今作もいつも通り70分という短い尺ですが、やはりここはウルトラマン
ちゃんとおもしろい作品になっていました。

今作は、突如現れた驚異にどーしよーと思っていたところで、ド変態・ジャグラス・ジャグラーさんの助けのおかげで対抗できるかもしれないアイテムが沖縄にあるのが分かったから行こうぜっていう、ザ・劇場版な内容になっています。

フクイデ先生も沖縄にヤベーイ何かしらに釣られたことがあるので、きっとこの地球には沖縄にパワーが集中してるんでしょうね。

ギャラクトロン軍団に立ち向かうことができるかもしれないアイテムとは、『赤い鋼』というもの。
『赤い鋼』を見つけたりっくん御一行。しかし、これの力を手にすることは、一筋縄とは行かなかった・・・。『赤い鋼』を探す者は、他にもいたのであった・・・・。

そんな中登場するラムネのお兄さんジェームズ・ボンドクレナイ・ガイや、帰ってきたゼロ(とウルティメイトフォースゼロのメンバー)。


今作、最近の特撮映画としては、なかなか珍しい作りだと思います。
展開が全体的に都合が良く、話のつじつま合わせにあまり力を入れていないんです。

りっくんの成長とアクション、ファンサービスにスポットを当てて大きなお友達向け要素を確保しつつも、『赤い鋼』のストーリーは、とことん子供向けで分かりやすいものにする。
元からそういうバランスに長けているニュージェネレーションズの劇場版ですが、今作は特に上手いんです。

私なんて今作のバランスが凄く好みで、そもそも私は今作を「ジードを大画面で観たい!!ジャグラーさんを大画面で観たい!!」というノリで観に行ったワケで、ストーリーは二の次というわけです。
ストーリーに深みがないおかげで余計な情報が頭に入らない!!うれしい!!!


前作ではオーブ、ジャグラー、ギンガ、ビクトリー、エックス、セブン・・・とあいつというゴージャスなメンツでしたが、今作はオーブ、ジャグラー、ゼロ、ジードという、大人しめのメンツ揃い。
昭和ウルトラマン自体は登場するものの、共闘も無く、そういう点では盛り上がりに欠けていたように感じました。
エックスが大好きな私ですので、余計にそんな感じでした。

その代わりにアクションが・・・というワケでもなく、ホントに大人しいだけなんです。

前々作から前作のスケールアップを考えると、今作が地味なのではなく、前作が豪華すぎただけなんでしょう。
とはいえ、スケールダウンの幅が大きすぎる感じは否めませんでした。


ただ、相変わらずCGは過去の実績のおかげで子供向けとは思えない程のクオリティで、その点はやはり東映特撮よりも頭2つ3つ飛び抜けてました。
個人的に好みではなかったウルティメイトファイナルも、あのCG盛りだくさんのアクションには素直にカッコいいと思いました。


今作はりっくんの成長劇としては素晴らしい作品であったとは思います。
ただ、前作との温度差や、謎の存在であることが魅力のギャラクトロンを若干露骨に描きすぎてしまった事は、結構心に引っかかりました。

完結したフクイデ先生とベリアルの物語に一切触れていない事や、パチンコマシン屋提供っぽいどうだカッコいいだろと言わんばかりの生身アクション、それに多くのファンが思ってたネタをやるというファンサービスは良かった分、悪かった部分が目立ってしまった。
そんな風に思います。


今作でとりあえずジードのサーガは終わり、数カ月もすれば新ウルトラマンの情報も公開されるでしょう。

とりあえず、来年は変に盛り上げもせず、ちょっと背伸びした程度の劇場版ウルトラマンを期待しています。

お願いだからエックスを出してぇ・・・・。


ウルトラマンジード DXギガファイナライザー

ウルトラマンジード DXギガファイナライザー

ウルトラマンジード DXキングソード

ウルトラマンジード DXキングソード

ウルトラマンジード DXジードライザー

ウルトラマンジード DXジードライザー

ウルトラマンジード DXウルトラゼロアイNEO

ウルトラマンジード DXウルトラゼロアイNEO

最新 ウルトラマン主題歌集 ウルトラマンジード

最新 ウルトラマン主題歌集 ウルトラマンジード

ジードクロー出てこなかった気がする・・

ブラックパンサー【シンプルなストーリー、流行りに逆行するストーリー】

アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』の公開が近づき、MCUの一端の終止符が打たれる(休止するとは言っていない)前に、『シビル・ウォー』に先駆けで登場した、未知の国、ワカンダの王子、ブラックパンサーの単独映画が公開。 タイトルはそう、 ブラックパンサー そのまんま。


Marvel's Black Panther: The Art of the Movie


物語は『シビル・ウォー』の直後、宇宙からやってきたすっごい物質『ヴィブラニウム』により、FF15みたいな超未来的文明を築き上げた王国『ワカンダ』が舞台。 時系列的にはピーター・パーカーがニューヨークで『このあたり』の活躍をしている頃でしょうか。

ストーリーをざっくり

父親を亡くし、傷心のままワカンダへ帰郷したティー・チャラ=ブラックパンサー。 王の息子である彼は、即時に王となりざるを得ませんでした。 しかも、王座に座ってみると分かってくる、自分の身の回りのクソっぷりにビックリ。 同時にヴィブラニウム大好きおじさんもぶっ殺さないといけない。 さあどうしましょう。 ・・・・・・おや?ヴィブラニウム大好きおじさんの仲間にワカンダ人っぽいのがいるぞ?

シリーズ何たら作目の割に、ストーリーがとてつもなく簡単です。 複数のテーマが絡まるスタイルの映画が多いこのご時世ですし、ついこの前ピーター・パーカーの青臭い成長だけを描いたばかりなのに、いきなり国王にされてプレッシャーに見舞われる上、面倒ごとに巻き込まれてあたふたする王様の物語だけをするって、中々挑戦的だと思います。

しかも、今作は珍しく、他の単独映画の主人公は一切登場しません。 単独映画なんですし、むしろこれが当たり前なんですけどね・・・・。

なんたって王ですからね、。 王の力さえあれば、他ののヒーローの力も、サブキャラのサイドストーリーなんて必要ないんです。


2ケタ作品数のあるシリーズものとしては、かなりトガったスタイルで制作された今作。 なんか・・・・すっごい懐かしい気持ちになりました。

今作、似てるんですよ、サム・ライミ版『スパイダーマン』に。 「大いなる力には、大いなる責任が伴う」とか、アクションシーンとか。

王という地位=大いなる力を手にした(してしまった)ことによる、国を背負い、『ア』から始まり『リカ』で終わる場所に住む人々世界中の人々を陰で守るという使命=大いなる責任を負うティー。 ふんわりとしていますけど、個人的にこれに似てると感じました。

この要素はまぁ個人差は出るとしても、アクションシーンに関しては似てるなーって思った人が多いと思います。

意外とクモ糸をあまり使わず、短距離をピョンコピョンコ飛び回るサム版ダーマに似てるんです。 格ゲーみたいな横視点のカメラアングルが似てるんです。

観たら「あぁーっ」ってなります。 地味なアクションしかできないヒーローをどうしたら超絶カッコよく描くことができるかを研究して研究して・・・・・。 それがしみじみ伝わるカッコよさ。なんか、物凄い遠回しに、サム版ダーマの再来を見せられた気持ちになりました。


いやぁ、良いですよ今作のアクション。 比較的やってることはそこまで大きい規模ではないですし。

とはいえ、規模が小さいからと言わせて地味とは言わせないのがディズニー。

今作のブラックパンサー、なかなかの私好みでした。

・・・・・・・・いいですよね・・・・・・光るの・・・・・・。 紫ですよ紫、紫に光るんですよ。超絶カッコイイでしょ。

衝撃を与えられた箇所が紫色に光る。その光が何なのかって、吸収した衝撃ですよ。 「今だ」って時に、吸収した衝撃を一気に放出して、周りの敵をぶっ飛ばす!!

「テメーなんで光ってんだよ」に「我々にもわからんのです」で答えず、ちゃんと理由付してくれるのは律儀ですよね。嬉しいです。

また、今作はスーツにこういう仕様がある為か、作中でアイアンマン以上に攻撃されてるシーンが多かった気がします。

というか、カッコいいんです。攻撃を受けてるシーンが。 やられ方が上手いというか、やられるときはしっかりやられるし、平気な攻撃には物凄いピンピンしてるという、あざとらしさの無さが結果的にカッコいいんだと思います。

身軽なアクションをするブラックパンサーですが、やられ役もしっかりこなすというのは、さすが王・・・違う、ヒーロー映画としてはホントに素晴らしいと思います。


今作は、ワカンダというまともにロケなんぞできないような場所が舞台ですので、CGこそは盛り沢山な印象です。

ただ、ストーリーやアクションの全体的なものは、キャップ2に並ぶくらいのシンプルさでした。

戦いのルーキーである故に悩むスパイディとは対象的に、戦いのベテランである故に悩んでしまうブラックパンサーというのはなかなかおもしろかったです。 自分のことで悩むという共通点があれど、しっかりと差別化できていたと思います。


今作の一番感心したことなんですが、今作、アクションよりストーリーに重きを置いているんです。

上でも書いた通りシンプルなストーリーの今作ですが、それを詳細に、かつ客を飽きさせることなく描けているんです。 悩めるヒーロー。よくある要素ですよね。ただ、その悩ませ方、決心のつけさせ方にしっかりと芯があり、どこぞのガワだけ盛ったハリボテとは全く違う仕上がりになっていました。

拍手したくなりますよコレ。

クライマックスでよーく分かりますよ。 凄くしっかりとストーリーを固められておるんです。 使い捨てヴィラン悪役のオリジン的描写なんかも、オープニングからクライマックスにかけて緩やかに語っていきますし、ティ・チャラの成長劇も、一つ一つ意味を込めて、ヘリクツ一つ無く芯の通ったものになっています。

まあ、クライマックスが地味だの、子供に向かないクライマックスだの言われてしまえばその通りですけど、CGで何でもできてしまうこのご時世に、あえてこんな感じの映画を作ってしまうってのは、私個人としては凄くおもしろかったです。

ただ、予告とは全然雰囲気が違うっていうのは、ガッカリ・・・と言うわけではないですが、置いてけぼりを食らったようには感じました。 アクション面では、よくある見せ場を予告で全部見せてしまう的な感じになっていたのは事実ですし、予告はもうちょっと別の方向性でやってほしかったってのは思いました。


微妙な出来の作品が多いこのシリーズですが、今作に関しては、普通に良かったと思います。 マシ・・・ではなく、普通に良かった・・・です。 ただ、やはりキャップ2には数歩届いておらず、普通止まりな感じでした。

とはいえ、これまでのMCUとは全く方向性の違う舞台設定や音楽はかなり印象的で、シリーズ中ではかなり主張している作品になっていました。

今度のアベンジャーズ3では、またスーツが変わるようで、紫色に光る以外の能力が追加されるのかどうか、また、どんな活躍をしてくれるのかが楽しみです。


ブラックパンサー (ShoPro Books)

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グレイテスト・ショーマン【すべてが主人公、まさにこれが私という映画】

19世紀のアメリカ。
貧しい幼少期を過ごしながらも、お金持ちのお嬢様と結婚し、3人の娘を持ち、庶民的に幸せな家庭を過ごしていたP.T.バーナム。
彼は、勤め先のリストラを転機に、大きな『挑戦』をする。


映画ポスター グレイテストショーマン ヒュージャックマン US版 hi3 [並行輸入品]


「もうミュージカル映画なんて廃れたもんなんじゃねぇの」という空気の中、威風堂々やってきた『ラ・ラ・ランド』。
結果的に大ヒットを記録し、ミュージカル映画の新たなるスタートを築き上げました(作品としての良さはともかく)。


さらに、エマかぶり美女と野獣』の大ヒット(作品としての良さはともかく)。


映画業界がミュージカル映画に目を付け始めている中、『レ・ミゼラブル』で美声(漢)を披露しまくったヒュー・ジャックマンが、再びミュージカル映画にやってきた!!


そんな今作、
グレイテスト・ショーマン


正直、全く期待していませんでした。
でもヒュー・ジャックマンの声目当てで、IMAXで観に行きました。


・・・・・はい、
良かったです


素晴らしいです。
OPのっけからして素晴らしいです。
ダレるのはその直後の序盤くらいで、P.T.の『挑戦』パートに入ってからは、ずーーーーっと楽しいです。



『挑戦』とは、予告である通り『ユニークな人』を集め、新たなエンターテインメントを提供する・・・というもの。

一見、最近流行りの不謹慎ってヤツに思えますが、そういうのではないです。


いわゆる需要と供給の関係です。

P.T.は、社会不適合とされてしまったり、奇妙なものとして見られてしまう特徴を持つ人達を起用し、ショーをしようと企てる。
ショーを通して、彼らには夢を叶えるとともに、心を落ち着かせられる居場所を与える。

そして自分には大金がわんさか入ってくる。

これでWIN☆WINの関係が結ばれる。

これを軸に進む今作。
凄いのは、軸はあくまでも軸であるということ。
軸がメインストーリーではなく、軸を中心に、メインストーリー的なものがいくつもあるんです。


いろーんな歌やモーション全てに意味があり、すべてがメインストーリー、すべてが主人公という感じ(もちろんそんなことはなく、雰囲気的な話です)。

まさに、今作のテーマであろう、『自分をさらけ出す』『夢に向かう』『幸せ』そのものでした。

凄いですよ、コレ。
いろいろなストーリーが主張しているのに、よくあるストーリーのごった煮とか、各キャラが別々の葛藤を抱えていてめんどくさい!!・・・とか、そういうのを感じないんです。


特に、ビジネスパートナーとなるフィリップが登場してから、作品としての素晴らしさがよーく現れます。

私は、このフィリップが登場するあたりのシーンが特に印象的で、飲屋でP.T.が彼にオファーをするシーンは、ワクワクしました。
言ってしまえば、ただ単に交渉→拒否を繰り返すだけの場面なんですが、二人のリズミカルな飲み方と、彼らの動きに合わせ店主がカップを避けたりテーブルを拭いたり、とにかくモーションが多いんです。


上の通り今作は、様々なストーリーが上手く混ざり合い、一つ一つが主役として成り立っています。

しかし、真のメインストーリーは、歓声と一緒にやってくる批難、誹謗中傷をあえて受け入れ、自らホラ吹きなペテン師として生きるP.T.の前向きな姿勢と、彼を信じ、前向きに生きる『ユニークな人達』なのでしょう。


有名なショーマンになり、幸せを手に入れたい夢、自分をさらけ出し、幸せを手に入れたい夢。


一人の男の身勝手な夢と、一つのグループの共通の夢が重なり合い、需要と供給の関係から、もっと凄いものへと変化していく・・・・。

しかし、P.T.の無意識に膨らむ、幸せを欲張ろうとする感情が、この関係を徐々に拗じらせてしまう。

それでも『ユニークな人達』は彼を信じ続ける。なぜなら―――。


挑戦にはリスクが付きもの。しかし、挑戦の醍醐味はリスクがあるという事である。
そんなP.T.に振り回されながらも、彼のショーを自分達の居場所と思い続ける。
そういう前向きな感情と同時に、反感をネタにし続けてきたツケが少しずつ近づいてくるという闇も描かれています。

これにより、ただただ関係ない喜劇を描き、いきなり局面にたどり着く・・・のではなく、客観的に見て明らかにヤバいことになりうる状況が見え、ストーリーの山場やキャラクターの成長が、丁寧に、違和感無く描けていたと思います。




今作、想像の何倍もいい映画でした。
昔が舞台の映画だからと、変にレトロな演出をしたり・・・というものは無く、VFXの視覚効果盛りだくさんの現代チックな作品に仕上がっていました。


ただ、はじめの方で書いた通り、今作は序盤でダレます。

ミュージカル映画からしょうがないと言えばその通りなんですが、今作は様々な感情をモーションで伝えています。
それ故、序盤の「P.T.の幼少期はめちゃくちゃ貧乏でちょっとはみ出た才能を活かす場も全然ありませんでした」的な話とか、「妻と二人の娘を持つ、お金はあまりないけど幸せな家庭で暮らしています」的な話が長いんです。

そりゃもう不安でした。
この映画大丈夫か・・・・?って。
序盤でここまでダレるって、ショーマンになってからコレどうなんの?って。

P.T.がショーを始めててからは、対して絡みのない要素がちょいちょいありましたし、もうちょいサラーっとやってしまっても良かったかもしれませんね。

『ちょっとはみ出た才能』は序盤で3回くらい描いてましたしね。

ただ、ダレるのは序盤だけで、その後はリズミカルに物語が進みます。
要はワンダーウーマンと似たような感じです。
ダレてる地点でそうそう褒められることではありませんが、そんなことを忘れてしまう程の展開が先にあるワケですので、その点は素直に凄いと思います。




最近の大ヒットミュージカル映画ですぐに挙げられるであろう『ラ・ラ・ランド』と『美女と野獣』ですが、私個人としてはどちらもあまりヒットしていませんでした。

そんなミュージカル映画2作続けて微妙と感じてしまっている奴がおもしろいと思ったんですから、きっと純粋なミュージカル映画としても、すんばらしい作品となっているのではないでしょうか。

時代設定と音楽の方向性のギャップとか、大きく激しいモーションで伝てくる感情がクセになる今作。
かなりオススメです。



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マンハント【クソ映画と見るか、バカ映画と見るか】

映画「マンハント」オリジナル・サウンドトラック


ベッドで目覚めると、隣には女性の死体。
突如濡れ衣を着せられ、警察に追われる身となった中国人の弁護士のドゥ・チウ。
そして彼を追う刑事、矢村。

過去に高倉健主演で映画化された、小説『君よ憤怒の河を渉れ』を、アレンジを加えて再映画化!!
ちなみに当人は原作も高倉健主演の方も目を通していません。


事件に隠された巨大な陰謀!!
爽快なアクション!!
人気俳優多数出演(どうでもいい)!!
そんな今作について書いていきます。




今作は日中合同製作・・・・ではなく、あくまでも日本ロケを行った中国映画ということに驚き。
見たあとに気づきました。
そりゃあ、ああなりますわ。


某映画総合サイトでは、評価が3を切り、何より目立つ意見が、「内容が薄い」です。

そりゃもう、めっちゃくちゃうっすいです。
去年のキングコングなんか軽く飛び越えるくらいうっすいです。

なんかちょいちょい各キャラの重い過去的な何かが描かれますが、それもこれもみーーんな薄いです。




ただですよ。
それつまり、ハリウッドに大金出資しまくってる中国が、ハリウッドらしい何もかもがスッッッカスカなアクション映画のノウハウを受け継いだ結果。
そ れ が 今 作 な の で は ?


これ・・・・ただ単に宣伝の仕方が悪すぎて、本来ターゲットじゃない客層を集めてしまっただけではないか?


ターゲットの客層・・・・そりゃもう、頭に飛行機をパイルダーオンするロボとか、肘からロケットエンジンぶっぱしてパンチするロボとか、タンカーでKAIJUをぶん殴るロボとか、口にに手を突っ込んではらわた引きずり出すゴリラとか、そういうの大好きな人達なんでしょうね、今作。


ええ、私です。紛れもなく私です。
この映画、大好きです。




そんなスカスカ内容のクソ映画アクション重視のアトラクション映画な今作、中国制作の映画なだけあって、なかなかのステレオタイプなジャパニーズが描かれています。ちゃんとなんか違います。それもGood!!
えぇえぇ、褒めてますよ、真面目に。

煽りでもなんでもなく、ホントにそういう要素があるからこそ、海外映画って面白いんですよ(日本ロケですけどね)。逆に言えば、そういうの嫌いな人はとことんダメってワケですけどね・・・。

舞台が大阪なのに大阪弁を話す人物がいない!!
なんの告知もなく始まる奇妙なゲリラ祭り!!
謎ディスコ!!
そして何より!!!小物ヤクザ!!!!

ええもう最高です。


わかってますよ。私が相当意味不明なこと言ってるのは。
でも、今作はそういう物好きな人(自称すると恥ずかしい)向けの映画なんです。




今作は装弾数をガン無視したドンパチやFORCE OF KATANA SAMURAI NINJA SPIRITS、肉弾戦など、アメリカ映画のノウハウを受け継いだようなアクションもさながら、事件を中心に複数のグループが絡み合い、敵同士なんかいろいろ起きるという、ガンダムじみた要素も今作の特徴。

まあ、薄いんですけどね。


とにかく、そういう要素のバカらしさが無駄におもしろく、特に監督の娘さんとその相棒の二人組アサシンねーちゃんズのくだりは、ベターでありながらも、ムリヤリJAPANのJHOを意識した作りになっていて、かなりの観ごたえです。面白いかどうかは別の話。
血糊の表現も上手く、程よい迫力が出ていました。


っていうか、このガンダムじみた展開の至る所に伏線が乱雑にバラまかれていて、「え゙っ?!こんなの伏線にしてたの?!」ってのがちょこちょこと。
それに、作品の本筋にはあってもなくても変わらないものばかり・・・。


ただでさえ本筋が箸休めレベルな内容なのに、さらにこういう箸休めを入れることにより、嘘っぱちが多く、くど目なアクションもリラックスしながら見ることができます。




これまで変なところを褒めてきましたが、ここで普通に良かった点を書いていきます(先に書けと思ってます)。


一つ。

ほんの一つですが、全体通して良かった点がありました。


リズムがいいんです。今作。

退屈なシーンがほとんど無いんです。


今作、ちょいちょいダイジェスト的な描写を取り入れることによって、アクション映画によくある(個人的な意見)「やっといたほうがいいが、長すぎると退屈になるシーン」を、うまーく避けられていたと思います。
ただでさえ内容が薄いので、そういうシーンはあるだけでもマイナス要素となるはずですが、要点だけ抜き出して、終わりをバッサリ簡略化してしまうことで、「このシーンいらねぇな」と思わせる前に次の場面に変えることができていました。
ここはホントに素晴らしいです。

また、会話→アクションのバランスも程よく、この2つにあまりメリハリをつけないことにより、スカスカな内容でありながらも、違和感をあまり感じないように感じました。

アクションに飽きてくる終盤には、ターミネーターゴールドフィンガーのパクリっぽいシーンが。
テンションが急降下しかけたタイミングでまた盛り返す。いいですよね、コレ。

出火原因が謎の火災も楽しみの一つ。


ただ、このリズムの良い展開が、逆にマイナスにもなっているんです。


スカスカなストーリー
+
ガンダム的展開
+
リズミカルな展開


すなわち、
ストーリーが頭に入らない。


・・・・というか、何か重要な事で、何かどうでもいい事なのかが分かりにくいです。


うっすい内容をポケーーっと観ていると、途中で誰が何をやってどうなっているかがさっぱりになります。

クライマックスになってようやく思い出したものの、時既に遅し。
クライマックスから先は、それまでの倍以上うっすい話になります。




今作を楽しく観る方法は、
『いかにしてクソな部分を逆に楽しむか』
です。要はドM向け。

「アレよりはマシ」という精神で観ると、私みたいな人でなくても、案外楽しめるかもしれません。

ただ、少なくとも『いい映画』ではないです。私にとってもです。
『ペラペラのしょうもないアクション映画が好きな人は観ろ』という感じです。

全体的な評価としては酷いもんですが、部分的に考えてみると、なんだかんだ力の入った映画だとは思いました。


映画「マンハント」オリジナル・サウンドトラック

映画「マンハント」オリジナル・サウンドトラック

君よ憤怒の河を渉れ (徳間文庫)

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ワッショワッショワッショイ