her/世界でひとつの彼女【儚く、決して叶うことができない感情】
今回は人間とA.I.のラブストーリーという、将来ホントにあり得そうなことを題材にした作品、
『her/世界でひとつの彼女』(her)
について話していきます。
得点
ストーリー:86
テリング:97
バランス:78
キャラクター:88
リズム:80
リアルさ:75
総合:88
得点は、100点満点で、その場で適当に付けたものであります。統一性はありませんし、作品の良し悪しを保証するものでもありません。
今作、ちょっと抵抗があってずっと観ていませんでした
なぜっていうと、以前当ブログで描いた通り、MCUのブラック・ウィドウ役でおなじみスカヨハが、個人的に苦手だからです。ただ、こういう『どんな結末になっても作品が成り立つ』という映画はかなり好きで、機会があればぜひ借りたい!という感情はありました。そんでもって機会があったので観てみたわけです。
まぁそれはどうでもいいですね。
そんで、観た結果、めっちゃくちゃいい映画でした。「これ観てくれ」とおススメできるくらいのものでしたわけですが、それが私らしくないおススメの仕方なんですよ。
この作品、ぜひとも吹き替えで観てください。
今作、よく考えてみると字幕版はアメリカ以外の国では不利な映画なんです。原因は、ヒロインがA.I.だということです。ヒロインがA.I.、つまり、メインキャラクターに声でしか登場できないキャラクターがいるということです。
やってみると分かるのですが、日常的にアメリカンな英語を聞くことができない方にとっては、視覚による表情なしに英語を聞いても、どんな感情で話しているのかが分かりにくいんです。今作はそれに見事突かれてしまっています。
私は最初、今作を字幕で見ていたのですが、A.I.の感情がさっぱり伝わらず、途中で吹き替えにして観なおしました。
さすがに今作はタレント吹き替えをしていないため、なかなかのもんです。ガッツリ日本に馴染んでしまっている方は、たとえ字幕版の方が好きだとしても、今作に限っては吹き替えのほうが好きだという方が多いでしょう。なんせA.I.のボイスが綾波レイの中の人ですし。やな感じー‼
今作、異色なテーマの作品ではあるものの、そこにはSF感は薄く(舞台が近未来のため、コンピュータ系統はSFチックですが)、むしろものすごく近く感じで、リアリティのあるラブストーリーに仕上がっています。
声だけのヒロイン、だからこそ色濃くなるもの。それは親密感です。
肉体的な関係を持つことができず、声だけでしかコミュニケーションをとることができないという制限。その制限が、かえって親密感を色濃く表現するのです。
無駄にイチャついて、結果的に空っぽのラブストーリーになるというありたきりな作品ではないというのが今作です。
手紙のの代筆ライターをする主人公オセドアが、妻と別れ、意気消沈している中、A.I.のサマンサと出会い、そこから彼女と親密な関係を作ります。
その関係を築いていく中で起こる亀裂や葛藤、そして身の回りの人間との関わり。それらがすべて繋がり、サマンサの驚くべき事実が明かされたとき、繋がっていったものはすべて崩れ去ってしまうわけです。
ろうそくのように静かに火が付き、悠々と燃え、その火はやがて静かに消える。例えるとそんな感じになる映画でした。我ながら例えが気持ち悪い。
甘くも切ないです。そして燃えカスが残るような終わり方は、観る人にちょっとした希望を与えてくれます。
いやぁ、いい話ですよホントに。今回、全然ふざけてないですもん。
本当にお勧めしますよ。
劇中でセックスしますけど。
劇中でセックスしますけど
劇中でセックスしますけど
なんかDSにこの映画みたいな感じのゲームあったよね‼!女子高生といろいろするやつ。
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