ラ・ラ・ランド【豊かな音の表現と、豊かな感情表現】
ゴールデングローブ賞で作品賞やらなんやら受賞、アカデミー賞も十何個かロミネートされている注目作。 ここら辺あんまり興味ないので・・・・・・。
とにかく、今回は『ラ・ラ・ランド』について書いていきます
なお、今回はケチってIMAXではなく普通の上映で見ました。
なお、私はミュージカル映画はあまり観たことがありません。その上でのレビューです。
『アメイジング・スパイダーマン』でヒロインを演じていたエマ・ストーンが、売れない女優"ミア"を、そして個人的によく知らない人のライアン・ゴズリングが、売れないジャズピアニスト"セバスチャン"を演じます。
ジャンルはミュージカルとコメディ、ラブロマンスです。 オールド・スタイルのミュージカル調で進む物語。壮大で派手なのではなく、セットや視覚効果をうまく使い、ロマンチックで夢のある雰囲気が表現されていました。
特に前半と後半はミュージカルらしさが強く、逆に中盤はそれが抑えられており、表現の強弱のメリハリの良さを感じました。
あの予告で流れていた曲がオープニングだったのは驚きでした(相変わらずの予備知識一切ナシですので)。
今作、ジャンルとしてはミュージカル映画ですが、ストーリー性やキャラクター性の描き方は、『(500)日のサマー』や『her』のような、一癖あるラブロマンスに近いものでした。 ヒュー・ジャックマンの方の『レ・ミゼラブル』でかなり疲れたという方は、今作はなかなか観やすいかと思います。 分かりやすく言うと、『リトルマーメイド』とか『アラジン』とか、セルアニメの頃のディズニーアニメーションに近い感じでしょうか。
今作は、「ハッピーになれる映画」とか「前向きになれる映画」ではなく、幸せや苦難、葛藤を客観的に描いていく作品に感じました。
キャラクターの心情をダラダラ描くわけではなく、「おそらくこうだろう」、「きっとこう思っているのだろう」という、ふわふわしたキャラクター性を表現しているのであないでしょうか。 私的には大好きなジャンルですが、この点かなり意見が分かれそうです(日本人に限った話でしょうが)。
夢を諦められない二人の男女のラブストーリー。
こう言ってしまうと、よくある何の魅力もないラブコメディのように思えますが、内容は無難でしっかりしたものになっています。
目指すものは違えど、お互いが持つ夢の大きさは共通。しょうもない場所のベンチで意志を確かめ合い、二人で夢へと向かっていく。 しかし、深くなると同時に二人は、たった一つの『意志の違い』がお互いを知らず知らずと引き離していっていることに気づいていく・・・・・・。
物語の中でのいくつもの決断、後悔。これらをどう捉えるかは人それぞれ違うかと思います。
だから今作は、「ワクワクドキドキの夢のあるミュージカル映画」として観るには、正直全くおススメできません。 あくまでも、「古いミュージカル調のアメリカ式のラブストーリー」という感覚で観るといいと思います。
今作を見る前に、ラブストーリーと昔の映画(白黒とかカラーが主流になりたてた頃のやつとか)を数本観てみることをお勧めしますよ。
映像表現とストーリーのギャップが強く、初めて見るには多少疲れる作風になっていますが、エンディングのほっこりする感じや、色鮮やかで繊細なキャラクター性には関心しました。
流行りに乗らず、古い表現方法で若手役者を使う。 古いのに新しいという、ちょっと不思議で違和感のある作品にも思えます。 しかし、考えてみると今がおかしいんですよね。
新しい表現を作り出しては捨てる。これを何度も繰り替えす。 今の洋画と邦画って、複数の国の映画の要素を組み合わせたハイブリッドもとい中途半端なもので、いくら最新技術を使っても、既視感が拭えないカテゴリになっているのではないでしょうか。
この映画はアメリカらしい、明るさと狂気をベースに、様々な苦悩を巧みに織り交ぜた作品に感じました。
普段「古き良き時代なんてクソ食らえ」ですが、映画に関してはそれってあるんじゃないかなー・・・・って思いました。 うーん・・・これは少なくともDVDとサントラは買いたいな・・・・・・。
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