ニンジャバットマン
忍者!
バットマン!
ベストマッチ!
Are you leady?
忍びのダークナイト!
ニンジャ✧バットマン
バットマンが今更ついにホンモノの★NINJA★に!!
スーパーヴィランのイボンコゴリラグロッドの装置によって、アーカムアサイラムの囚人もろとも江戸時代にタイムスリップしてしまった!
戸惑う暇も与えず次々とバットマンに危機が訪れる!
全国に散らばったヴィラン共をとっ捕まえてバック・トゥ・ザ・フューチャー!!
今作、見ての通り深く考えながら観たらダメなやつです。
いや、現実的に観たらダメなやつです。
今作、相当狂気に満ちています。
ヤバイです。何かしらキメたんじゃないかってくらいにメッチャクチャな映画です。
序盤はいつもの(?)バットマン。ですが、話が進んでいくにつれどんどん作風が変な方向に反れていって、「これマジでバットマンなのかよ?!」ってなっていくくらいに、客のニーズとは間逆なものを観せてくるワケです。
ただですね、コレがムカつく事にクソおもしろいんです。
まあバットマンとしてのおもしろさでは無いんですけどね。
・・・いや、バットマンだからこそですよ。
バットマンという皮を被せているからこそ、あんな意味不明なモノを作ることができて、それをおもしろいって思えるんです。
現在ではちょっとでも軽口言ったり素で喋ったりするだけで、一気に『頑張って人前でふざけようとする陰キャラ』みたいに見えてしまう程のダークヒーローのイメージが強いバッツ。
そんな中、今作は彼をダークヒーローとしてではなく、過去の、つまりバットマーン♪nanana...ってイメージで描けているんです。
それって、やっぱりあのメチャクチャな作風のおかげなのかもしれませんね。
実際のところ、あの作風にはバッツただ一人だけ置いてけぼり食らっていましたし、結局はいつものコウモリのコスプレをした陰気なディテクティブなんです。劇中ほとんど笑いませんしね。
ただそんなバッツを、キャラクター性はそのままにしておきながら、あそこまで愉快爽快なイメージで描けている事は素晴らしいと思います。
バットマンの陰気なレッテルを引っ剥がしてやる!!
っていう意志を感じます。
そもそもバットマンことブルース・ウェインは、酷い言い方をしてしまえばただの『両親を目の前で銃殺されたボンボンのプレイボーイ』です。
そこに『陰気で無口なヒーロー』に繋がる要素ってないですよね。ほら、両親が殺されてるのに平然としてるヒーローって結構いるし・・・。
BvSでバッツを根暗に描きすぎて、妄想被害癖がえぐいおっさんとして描いてしまったという失敗をした地点で、もう彼がダークヒーローである必要性は無くなっているんですよね。
実は私、今作が不安で不安で仕方がなく、マニュアル通りのダークヒーローモノとして描かれてしまわないか不安だったんです。
いざ観てみると、完全に真逆、クソはっちゃけていて意味不明な作品に仕上がっていました。
独特すぎる作風に押され気味ですが、アニメーションだからこそ映えまくっているアクションも見どころ。
CGアニメーションとデジタルアニメーションのハイブリッドである今作。背景が手描き故にアングルで迫力を出すのはは妥協・・・・するワケねーよバカと言わんばかりに、ビシバシ最高にめちゃくそカッコいいアングルでスタイリッシュなアクションを繰り広げます。
特にハーレイとキャットウーマンのアクションシーンは必見。
ハーレイのたっくんもビックリなフルスイングで大胆な戦い方に、低姿勢でガンガン攻めるキャットウーマン。
実はこの2人が、メインのバッツとプリンちゃんよりも印象的なんです。
また、今作のアクションシーンですが、戦闘中のキャラクターの表情をしっかり描こうという意思を感じました。
コレがなかなかおもしろいんです。日本製CGアニメーションとは思えない程表情の動きが滑らかで、各キャラクターのそれぞれ違った心情が感じられるようでした。
そんな感じに、アクションシーンへの抜かりないこだわりをひしひしと感じる今作。他にもいいポイントがあって・・・。
今作は『静』と『間』の使い方が上手いです。
独特な・・・ではないのがポイント。
『間』を取ることで程よくストーリー進行のリズムを崩し、つかの間の休憩を作ることで、どんどんメチャクチャになっていく作風について行きやすくなっていました。
また、各所に『静』を設け、いわゆるZENや昔の日本映画らしさを強調させる演出がされていました。
それだけではありません。
NINJAがテーマということは当然SHINOBIがあるわけで、(私がアトモスで観た(自慢)のもあると思いますが)『静』と立体音響を巧みに使ったまさにSHINOBIな演出は、キャラクターが感じているだろう緊張感をこれでもかと伝えてきます。
そんな感じに今作は演出に関しては素晴らしく、そのこだわり様は国内小規模の単発アニメ映画だからと侮ってはいけないくらいでした。
・・・・が、しかし今作。
海外向け・・・・海外のオタク向けに制作されているのでしょうか、キャラクターの紹介がほとんど無いです。
そりゃ90分も無い映画ですから予想はついていましたけどね。
一応登場するヴィランのほとんどは実写映画で登場したことがあるくらいのメジャーなのばかりです。とはいえ、今更ペンギンだのポイズンアイビーだの言われても、ポッと頭に浮かび上がる人って、日本には結構限られると思います。
ヴィランはともかく、問題はヒーロー側。
バットマンのサイドキックでおなじみ、ロビンがご丁寧に歴代4代全員登場します。
・・・そこは流石に4代目だけとか、他はナイトウィングだけにしようとか、そういうのにはならなかったのかなと。
4人のロビン(実際にロビン名義でヒーローやっているのは2人)の存在によって、少々ストーリーが窮屈になっている気は否めませんでした。しかも、彼らがどういった存在なのかも全く説明が無いわけで、予備知識がない人にとってはホントに謎の存在です。
既存キャラの単発モノの映画としては特に説明不足だと思われる今作。
ただそういうのを含めた評価としても、かなりいい作品だと思います。
固定概念にとらわれず、日本流のバカをフルスイングでやってのける。
おかげでバットマンの陰気なイメージをぶち壊し、ある意味原点復帰とも言えるものに仕上がっていました。
どれだけメチャクチャなのかは見てのお楽しみ。
これだけは言っておきたい!って事は、そのメチャクチャっぷりがバットマンからかけ離れているけども、だからこそバットマンとしておもしろい作品に仕上がっているという事。
たまにやるくらいのお祭りバカ映画として、ジャパニーズ・アニメーションらしいバカをとことんやる映画として。
さすがに連発されるとアレですが、こういう映画は大好きです。
海外でも何やら同じような高評価を受けているようで嬉しいです。
今後こんな感じのアニメーションが制作されるとしたら、もっとスッカスカのクソ映画に仕上げていただきたいですね。
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