えいがきのえいが【90年代生まれ視点の映画レビュー】

90年代生まれ視点の映画レビュー 当ブログは個人的な意見をバカ正直に綴ったもので、映画の品質を保証するものでもありません。映画を否定しても、その映画に関わった人物を否定しているのではありません。例え人をバカにしても、それはその人を尊重した上での行為です。

アリータ バトル・エンジェル

スクラップに紛れていた、サイボーグで記憶喪失の少女。 サイボーグ専門のサイバー医師の『イド』に救われ、『アリータ』と名付けられた彼女。『ザレム』という空中都市の下『クズ鉄街』で多くの経験を積み重ねるにつれ、自身の過去が明らかになっていく。


アリータ:バトル・エンジェル(オリジナル・サウンドトラック)


日本の漫画『銃夢』をハリウッドが実写化。

監督はあのジェームズ・キャメロン・・・・・・じゃない!

とにかく、ゴースト・イン・ザ・シェル(攻殻機動隊)に続くMANGAのハリウッド実写映画。

原作は今作を観るまでは読んだ事はなかったです(タイトルなら聞いたことある気がするなー・・・程度)が、予告のバトルシーンに魅せられて観に行きました・・・・通常上映で・・・・・。


まず気になることと言えば、主人公のアリータの大きな目だと思います。

実は目だけじゃないんです。 輪郭が逆三角形のシュッとした感じになっていて、体型なんかもかなり細身でスタイリッシュでMANGAチックになっています。

予告やポスターからはちょっと異質な感じというか、宇宙人っぽいな・・・というカンジがしますよね。 ぱっと見製作側の勝手な悪ノリですが・・・今作の凄い所、凄く良い効果が出てるんです。

まず、アリータの表情が物凄く豊かに表現されています。大きな目なんだから当たり前でしょ・・・ってなるんですが、もはやそんなレベルの話ではないんです。

目で見せる表情が本格的にMANGAチックで・・・凄く良いんです。 喜怒哀楽の表情が凄まじく、特にクシャッとした笑い方をする目のかわいらしさと、睨みを効かせた目の威圧感なんかは驚きです。

また、(おそらくですが)シーンによってアリータの目の大きさを変える手法が使われていました。 漫画やセルアニメーションの目って、よく変に釣り上がったり点になったり・・・物理的におかしな変わり方しますよね。今作のアリータがソレで、原作の釣り目だったりまんまる目だったりするガリィ(アリータ)の表情の豊かさを、『目の大きさを変える』という違ったやり方で実写に反映させていました。

次にMANGAらしいスタイリッシュなシルエット。 これが実にイカしていて、実写という環境下で、ただ一人『MANGA世界のティーンエイジャーの女の子体型』という『異質感』が、アリータのスタイリッシュアクションのカッコよさを何百倍にも増幅させています。


今作、素晴らしいのはMANGA的要素の扱いの上手さだけではありません。

ストーリーがめっっちゃくちゃ良いんです。

勝手なイメージですが、ジェームズ・キャメロンの脚本って無駄にしつこくないですか? なんか、同じことを何度も繰り返すというか、考えたら分かる事までいちいち丁寧に見せてきたり。

ただ今作、全っ然 無駄が無いんです。 その上、原作のストーリの再構成がめっちゃくちゃ上手くまとまっているんです。

今作、最近発売された原作の新装版で言う第2巻までのストーリーをベースに描かれているんですが、当然ソレを原作通り描くとなれば2時間じゃあ収まるわけ無いですよね。 珍しくこのタイミングで広告載せてみます

新装版銃夢(1)錆びた天使 (KCデラックス)

新装版銃夢(1)錆びた天使 (KCデラックス)

新装版銃夢(2)殺戮の天使 (KCデラックス)
新装版銃夢(3)復讐の季節 (KCデラックス)
新装版銃夢(4)機甲花嫁 (KCデラックス)
新装版銃夢(5)ザレム征服 (KCデラックス)

そこで、その2巻のうちで展開される3つのストーリーを一連のストーリーとして再構成させています。 また、第3巻以降で明らかになるアリータやザレムの『正体』にも触れられていると思われ(第2巻の途中までしか読んでいないので・・・)ます。

その再構成が素晴らしい・・・・素晴らしすぎます。

何を残して、何を切り捨てるか。そしてどんなオリジナル要素を加えるか。 今作、何が素晴らしいって、再構成する中で不要になった要素を容赦なく切り捨てている事だと思います。 言い方が悪いんですが実際その通りで、例えば原作のはじめの強敵『マカク』。彼には原作では癖の強い設定や一気に魅力的になる展開がありましたが、今作にはそういう要素は殆ど切り捨てられていて、ただの強敵、アリータに立ちはだかる強敵と言う立ち位置になっていました。

また、メインヒロイン『ユーゴ』が序盤から登場(原作ではマカクとの戦いの後の登場)し、併せてオリジナル要素でアリータがクズ鉄街と触れ合うシーンが加わっています。 ユーゴとの出会いをきっかけにアリータがクズ鉄街の環境に馴染んでいく・・・・という原作とは全く違う展開・・・・でもソレは今作が『実写化』としてではなく『実写版』として作っている表れであって、また別の、ジェームズ・キャメロン流『銃夢』として作りたい・・・・と言う感じが、とっっっっっっっっても良いカンジでわっていくワケです。 なんなら原作よりこっちの方がアリータに人間らしいかわいらしさがあって、前半30分も無いうちにアリータのキャラが確立されていて、やっぱ凄いな・・・・ってなりました。


上で書いた通り、私は今作を通常上映で観に行きました。

・・・・・・・・・・今、めっっっっっっっっっっっちゃくちゃ後悔しています。

なぜ某埼玉映画を優先して、今作をケチって通常上映なんかで観たのか? 来週は某蜘蛛映画の先行上映があるから2回見る機会が無い・・・かもしれないのに何で通常上映なんかで観たのか?

金曜日の「埼玉に染まるぜー」意気込んでいた私をぶん殴ってやりたいです。1か月前の私に「原作読め!!!!」と強要してやりたいです。

それくらいにおもしろい・・・・素晴らしいんですよ、今作は。 現在暫定1位の出来・・・・・はるか上で新装版第1巻表紙のガリィが光り輝いています、ハイ。

絶対2回見てやる・・・・・ウルトラマンと2本立てで観てやる・・・・・・。


今作、続編を意識した作りになっています。 1作目や物凄いブランクを空けた続編モノでこういう作り方をするのは正直嫌いなんですけど・・・・・・・・・今作は別です・・・・・だっておもしろいんですから(自分勝手な正当化)。

っていうか観たいんです。この実写版世界の銃夢を。 お願いだからアバターなんか作ってないでこっち作って・・・・・!!監督やんないでいいから!!!!


新装版銃夢(1)錆びた天使 (KCデラックス)

新装版銃夢(1)錆びた天使 (KCデラックス)

新装版銃夢(2)殺戮の天使 (KCデラックス)
新装版銃夢(3)復讐の季節 (KCデラックス)
新装版銃夢(4)機甲花嫁 (KCデラックス)
新装版銃夢(5)ザレム征服 (KCデラックス)

アート&メイキング・オブ・アリータ:バトル・エンジェル

アート&メイキング・オブ・アリータ:バトル・エンジェル

アリータ:バトル・エンジェル(オリジナル・サウンドトラック)

アリータ:バトル・エンジェル(オリジナル・サウンドトラック)

私ね・・・・・マジ泣きしましたよ!!!!!!!!