えいがきのえいが【90年代生まれ視点の映画レビュー】

90年代生まれ視点の映画レビュー 当ブログは個人的な意見をバカ正直に綴ったもので、映画の品質を保証するものでもありません。映画を否定しても、その映画に関わった人物を否定しているのではありません。例え人をバカにしても、それはその人を尊重した上での行為です。

スーサイド・スクワッド【いい素材でここまで酷くできる】

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 今作は、DCコミックスが2013年から開始したMARVELのパクリ『DCエクステンディッド・ユニバース』第3作目(チラシだとなぜか第二弾扱い)です。

 今度の主人公はヴィラン達!  アーカム収容所の大物犯罪者を寄せ集め、即興でチームアップ!!  その名は『自殺部隊=スーサイド・スクワッド』!!


 ネットに特報が公開された地点で、多く人に大きな期待を抱かせ、正直なところ『バットマン v スーパーマン』よりも盛り上がってました。  本編が公開される以前から、ファンアートやらコスプレがインスタグラム等で出回り、公開が近づくにつれ、ファンたちの期待は膨らんでいきました。

しかし蓋を開けるととんでもない作品であったのです。

 キャラクターのデザインとインパクトは最高の出来であるのは事実。  しかし、作品の内容は、そんな『キャラの良さ』とは釣り合わない出来だったのです。


 ペラペラで雑なストーリー。  前2作の『ダークナイトシリーズ』からずるずる引きずっている暗い作風から、コメディタッチの作風へのシフトチェンジを目指したものの、意図しすぎて気持ち悪い。  『ハリー・ポッターと賢者の石』を超えるキャラ紹介の長さとだるさ。  そしてキャラクターの使い方の悪さ。

 もう散々言われてます。ファンにさえも。  つまり「予告は傑作」というやつです。


 さてさて、次は私の意見です。

 つまんなかったです。

 こういう映画は、中盤になってからやっと「あー、確かにダメだこれ」というのになるのが普通ですが、今作は序盤から「あれ?」となります。

 そう、『起承転結』の『起』から観客の目の前で堂々と地雷をポンと仕掛けるという荒業を仕掛けているんです

 やけに長ったらしいハーレイ・クインのオリジンと、デッドショットのみんなが興味を持たない家族思いアピール。  そんなもんどうでもいいから、さっさとチーム組んで出撃してくれ!!そんな願いも叶わず、描かれていくのはどうでもいいシーンばかり。まるでこのブログみたいに同じことを繰り返します。


 そして何よりもびっくりしたのは、古代より生きる魔女(実際はメタヒューマンというカテゴリの一つ)、エンチャントレスです。
こいつ、メンバーじゃないです。

 彼女がチラシや予告の状態で登場するのは10分くらいしかありません(たぶん)。すぐに第二形態(というより、真の姿)に変わり、ヴィラン・・・いや、悪役・・・とにかく敵側になります。

 おいおいおいおい!!

 エンチャントレスの活躍を楽しみにして見に行った人はさぞキレたでしょう(わたしです)。なにせ、「スーサイドスクワッド・スクワッド」という言葉が出てくる以前に敵ポジションに=活躍すらしてないんですからね。

 まあこれは10,000歩譲って許しましょう。眠くなるほどのヴィラン個々の、やけに暗い物語も含めて。


 ところがどっこい、まだまだ酷い部分がたくさん。

 まず、『かませ犬』です。何もしないで、割とどうでもいい部分の説明のために殺される人が一名。何やってんだよまったくもう。

 それから、バットマンジョーカーのオマケ感と、高速のあいつの必要の無さ。

 さらにさらに、敵キャラの魅力の無さ。バットマンvスーパーマンと並んでます。

 そんでもって、焦らし方に何も感じないこと。焦らして焦らして・・・・・スッカー‼っと外しやがります。

 あと、ストーリーがペラッペラな割に、テーマが映画3本くらい作れそうなくらいに量があること。別にジャスティス・リーグは早く作らなくていいからさ、とにかくしっかり描いてくださいな。

 そして何よりも、ハーレイ・クインのキャラ崩壊。  いやまあ、元から崩壊しているんですけど、時折・・・というか、しょっちゅう普通の人間になるんです。  あいつからあんな言葉が出るのっておかしくね?あいつってこんなシリアスやっけ?  一応主人公級のポジションに立つくせに、デッドショットのゴリ押しや、エンチャントレスに対する嫌気のせいで、めちゃくちゃキャラのインパクトが薄れてるんです。  唯一の救いはあのコスチュームが出てくる事くらいかな?ハーレイは一貫して2011年以降のヤツがモチーフかと思ってたら・・・。

 いやぁ・・・・・・・
もったいない!!


 今作の総合的な評価を言うと、はっきり言ってつまらないです。  キャラクター以外は本当に退屈です(所々、キャラクターでさえ酷い箇所がありましたが)。

 この手の映画にはギャップは求められないですし、ただの凄腕がファンタジーな奴と戦うというのも飽き飽きします。  それに、何のヤマも成長も無いペラペラなストーリーは、バットマンvスーパーマンより悪い出来です。  そして、日本のテレビドラマみたいな、予算をケチった謎の説教タイムという、誰も得しないシーンには首を傾げました。


 本音を言うと、褒めたいという気持ちはあります。でも、褒める所がキャスティングだけでは何をどう褒めれば良いのか分かりません

 語らなさすぎ
 語りすぎ
 ヤマがない
 成長が無い
 テーマが多い
 キャラの描き方が薄い
 敵がみんな期待していたものと違う
 見せ場を予告編でほとんど流している
 ヴィランヴィランをやっていない
 ラストに近づくにつれ、音楽のノリが前作みたいに壮大になる
 全体的にベター
 ダメな部分は沢山出てきます。  普段私はここまで長くボロカス書きませんが、今回は、大きな期待を、とてつもなく大きく下回ったということになったので、こういう記事になりました。


 うーん。

 現地点で3作が公開、そして3作連続で微妙以下の出来。微妙な作品がほとんどのMARVELよりも、さらに微妙な作品を作り続けるDC。  そもそも3作すべてストーリーに対する高評価のしようがないというのはいかほどかと思います。  変にシリアスな前2作と、無理矢理コメディを混ぜた結果、ペラペラで無駄にシリアスが多い作品(要は前作以下の出来)となった今作。

 果たして、「彼ら」にジャスティスは輝くのか。

サントラ



原作(の中のひとつ)
スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)

スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)



東映のヒーロー大集合映画と似てて微妙なやつ

ドラゴンボールみたいで微妙なやつ

 フラッシュの動きにくそうなスーツはナシだと思いました。