えいがきのえいが【90年代生まれ視点の映画レビュー】

90年代生まれ視点の映画レビュー 当ブログは個人的な意見をバカ正直に綴ったもので、映画の品質を保証するものでもありません。映画を否定しても、その映画に関わった人物を否定しているのではありません。例え人をバカにしても、それはその人を尊重した上での行為です。

バイス

【映画パンフレット】 バイス VICE 監督 アダム・マッケイ キャスト クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、スティーブ・カレル、サム・ロックウェル







今作は、アメリカ、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代の副大統領、ディック・チェイニーを描いた作品。





皆さんご存知の通り(私は知りません)彼が9.11後のアメリカをイラク戦争に導いた張本人とされていて、今作はそんな彼を『忠実に再現した』作品・・・になっているそうです。





・・・・そう聞くと、どこぞのペンタゴンのペーのパーみたいに『個人的な好き嫌いを露骨に押し付けるような映画』みたいな、『作品が一人歩きしている完全なる自己満足映画』みたいな感じを想像しますが、違います。



今作はメッセージ性がどーこーとか、人格否定してどーこーとか、個人的にクソヤローだと思う奴とソックリだぜコイツとかじゃないんです。

ただただ、ディック・チェイニーの半生をおもしろおかしく描いているんです。そう、おもしろおかしくです。









今作のポイント、ディック・チェイニーを客観的に描いていることです。

のっけから「コレは映画だよ」という演出から始まり、作中でも「コレは映画だよ」ってハッキリ断言しています。

それに、ストーリーの進行はナレーション形式ときてます。



要は今作、物凄く予算タップリ豪華キャストな再現VTRという感じ。

しかもおもしろおかしいんです。





また、9.11やイラク戦争を取り上げておきながらナレーションのノリは完全におふざけモード。

ホントにクソです(褒めてる)。





ハッキリ言って社会科全体大嫌いな私ですが、今作は面白かったです。

なにせ真面目に語るんではなくおもしろお(ry







ただ、おもしろおかしく描いている・・・というのは作風だけなんです。

前説にある通り作品からにじみ出ている作品作りの姿勢はホンモノで、いわゆる『真面目にふざけている映画』というカンジ。



映画・・・広義的に作品の中では割と需要の低い作り方。ましてや主人公はイラク戦争を引き起こした人物達の中の一人であるディック・チェイニー

ふざけてんのか。ハイ、ふざけてます。

もっと真面目にやれ。全く以ってその通り。

そんなノリです。

私個人としては大好物です。





最後に、個人的今作一番のポイント。

今作はヒューマンドラマ寄りのブラックコメディ的作品なんですが、演出のノリがアクション映画のソレで、ムダに迫力が凄いです。



・・・・ホントにムダです。ただ、コレが今作のホントに凄いところで、そういったムダな迫力をかもし出すシーンの数々は、やり様によっては今作の主人公のディックの『クソさ』を最大限表現できるような、そんなシーンです。





・・・・しかし今作、そんな説教臭い事をするよりも、VFX有効活用してド迫力なシーンを作り出すことに注力することを選んでいるワケです。

・・・・そりゃさすがにちょっとは説教臭くはしているんですけどね。ソレよりもド迫力!緊迫感マシマシ!が勝っているんです。

こういったひねくれた演出に、私はドンドン引き込まれていったワケです。





今作、ハッキリ言ってクソ映画です。

・・・・が、それでいて今作は意図的にクソ映画として作られている、そういった意志を感じる作品になっていました。



スタッフロール後のシーンでそういう点「なるほどね」ってなります。ホントに。





こういう系統の映画がコレを期に一気に増えて・・・・は困りますが、ちょいちょい顔を出せられるようになってくれると嬉しいですね。





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コレでアカデミー賞の作品賞取ったら、映画の内容的にはあんまりおいしくない気もする。ホントに良かった。