パイレーツオブカリビアン/最後の海賊【旧三部作の意志を受け継いだ壮大なアクションアドベンチャー】
大人気シリーズ第5作目。
4作目で大胆な路線変更が大失敗をしたパイレーツ・オブ・カリビアンが帰ってきた!!
その名も
死人に口無し
そう、そういうタイトルです!!!最後の海賊とかそんなサブタイ存在しません!!!!そういうことにしてください!!!!!!!!
個人的にハートにカスりもしなかった前作、『生命の泉』で、正直こんなシリーズもう観ないわと思っていた私でしたが、今作、普通にIMAXで観てきました。
・・・・・・・いやぁ、めっちゃくちゃおもしろかったです。
前作はとことん地味でシリアスで盛り上がりも無かったんですが、今作はオープニングからしっかりと盛り上がりを持たせることができていて、肝心な悪役も「どんなヤツなんだろう」という興味も持たせてくれました。
大まかな話の雰囲気も無難に攻めたなぁという感じでした。程よく盛り上げ、シリアスなシーンにもコメディ要素を織り交ぜる点は、前作にはなかったパイカリらしさだったと思います。
悪役のサラザールは1作目のバルボッサとデイヴィ・ジョーンズを足して割った感じで、いわゆるド直球系の悪役でなかなか魅力的でした。
旧三部作でおっぴろげになった風呂敷を、前作で物凄い小ささに折りたたんでしまったこのシリーズでしたが、今作ではなかなか程よい風呂敷の広さでした。
3作目の壮大すぎな作風が好きな私にとっては「もう少し壮大でもよかったかなー?」というカンジでしたが、旧三部作全部大好きな人(わたしです)はかなーーーーり楽しめると思いますよ。
そしてクライマックス。誰も
まさに衝撃的でした。いい意味でも悪い意味でも。
このくだり、終始ポッカーーーンとしてました。えっ?マジで?ってなりました。
かなりベターな展開だけれども、話の方向性を大きく変えることができる描写。
ただ、ここでやるか?というカンジはありました。
オーバーに壮大なところや、雑魚や中ボスがいちいち気持ちが悪いところなど、やはり旧三部作の要素が強いです。
真面目なシーンをふざけてんのかっていうノリでこなしてしまう所は、「あーコレだコレだ」となりました。
ディズニーはこのシリーズを、あと2,3作は作る予定だと言っています(だからこのサブタイが気に入らない)。
今作のノリが次回作にも受け継がれていく事を願います。あわよくば主人公を換えていろいろなサーガを繰り広げたり・・・・。
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メアリと魔女の花
『借りぐらしのアリエッティ』
『思い出のマーニー』
米林宏昌監督長編アニメーション作品第三作目、及びスタジオポノック製作長編アニメーション作品第1作目。
スタジオジブリの長編アニメーション制作部門の解散を期に立ち上げられた、スタジオポノックが初めて制作した長編アニメーション作品。
過去に2作、苦しさと切なさが複雑に描写されたアニメーションの監督をしてきた米林宏昌。
2017年夏、ついに米林監督作品最新作が公開しました。
・・・なんとその作品は、これまでとは方向性が全く異なる、壮大なファンタジー作品でした。
何をやっても失敗ばかりのメアリ。
ある時、7年に一度しか咲かないと言われる花『夜間飛行』を見つける。
メアリは夜間飛行の不思議な力により、一夜限り魔女になれる力を得るのであったーーーー。
今作、ポスターを見てわかる通り、かなりジブリの遺伝子を受け継いでいます。
デザインの方向性や、人物の感情表現・動き方はとても繊細で、まさしくジブリでした。
ただ、全体的なストーリーの流れは、ジブリとは違うものを感じました。
どういうことかを女の子キャラクターで考えてみましょう。
まず、ジブリは「女性らしいあどけなさ」を表現する傾向にあります。
子供であれど清掃でミステリアスな部分を持ち、大人の女性っぽい雰囲気を少し抱えているケースが多いです(例外として猫の恩返しや崖の上のポニョ)。
対してスタジオポノック、今作で断言してしまうのはまだ早いと思いますが、明らかに「子供っぽいあどけなさ」が表現されていました。
無垢で無邪気な、純粋な女の子として描かれている印象です。
そして、ストーリーの質に関してですが・・・・。ジブリへの敬意を感じつつも、米林宏昌の描きたい作品に、スタジオポノックが描きたい作品になっていたと思いました。
宮崎駿というリミッターが無くなり、宮座という補正が無くなり、ほぼゼロからのスタートでありながらも、こんなにもまで根のある作品が出来上がったことにはとても驚きました(某戦記を眺めつつ)。
上でも書いた通り、今作はかなり明るく前向きな作風になっています。
前2作のような「辛いことばかりでも前向きに生きていくよ」というものとは、全く方向性が違います。
へぇ、米林さんってこんなのも作れるんだ。という感じ。
壁にぶつかっても突き破る。何があっても心は折れない。
こういう作品でした。
女の子が主人公のファンタジー。
風の谷のナウシカ、魔女の宅急便、猫の恩返し、千と千尋の神隠し・・・。他、ぶっちゃけありえない、弓矢使う人が主人公じゃないやつetc...
ありたきりなジャンルではありますが、ずっと前向きで、終盤で交通事故で死ぬような内容ではないという点では、オリジナリティに満ち溢れていました。
なによりも、メアリの動き方がいちいちおもしろく、40代のおっさんが描いたとは思えないほどぴょんこぴょんこかわいらしく動く姿はとても癒やされました。
多少の粗を感じる部分はありますが、新たなスタートを記念する作品としてはとても良い作品ではないでしょうか。
第二弾、第三弾と作品を重ねることで、米林宏昌及びスタジオポノックらしさという、ジブリらしさという概念ナシの作品づくりができる将来性を感じる。そんな作品でした。
ローガン【最後のウルヴァリン、最後の戦い、新たなる希望】
ミュータントが絶滅の危機に瀕し、X-MENも過去の存在となった時代。
これまで200年以上生きている、ウルヴァリンことローガンは、徐々にヒーリングファクター能力を失っている状態にあり、アダマンチウム製の骨格に身体を蝕まれていた。
彼は、残り少ない(であろう)人生を、ドライバーとして生き、ある目的のために、『世界一危険な脳を持つ男』=プロフェッサーXを隔離し、船を買うための資金を集めていた。
そんな彼の前に現れる、カナダ人の女性と義手の男。そしてプロフェッサーXの「新たなミュータント」という言葉の意味とは・・・・。
いつものX-MENとは全く違う雰囲気を漂わせる今作。
X-MENシリーズは微妙だと思っている僕ですが、なにせ待望のオールドマン・ローガンの実写化というだけあって、期待値マックスで観に行ってしまいました。
いやもう、最高でした。
ありがとうデッドプール。映画は微妙だったけど、あんたは偉業を成し遂げたよ。
これまで、描写にはかなり自重してきたために、個人的にはあまりいいイメージが無かったウルヴィおよびX-MEN。
ただ今作は違います。ちゃっかりR指定を食らってくれてます。
つまりどういうことか・・・・。
そうです、グロくてエグくて酷くて辛い映画なんです。
大歓迎です大好物です。
今作の魅力は、いい意味で地味な所、子役に容赦しない所、程よく狂気がある所の3つでした。
いい意味で地味。どういうことかと言うと、そりゃそのまんまです。
X-MENシリーズって、原作にマジレスするようなキャラクターデザインをするくせに、内容が所々ヒロイックでSF臭いんです。こういうギャップがいいと言われればそうなんでしょうが、個人的に性に合わないんです。
対して今作、ヘリをぶった切ったりもしませんし、新幹線の上でYAKUZAと戦ったり(この戦闘は好き)もしません。
だってオールドマンですからね。そんなことまずできませんよ。
とにかく、爪を出してメッタ斬りするじじいであることを最大限に活かしたアクションが繰り広げられるわけです。
そしてそれを補うかのように活躍するキャラクターがローラです(子供に容赦しない)。
ローラを見てわかりました。私、子供が酷いことする映画大好きです。
狂気、悲しさ、怖さ、苦しさetc…
ネガティブな感情をモロに受けて、興奮しながら泣いてました。気持ち悪い。
ちなみにヒットガールは違います。
とにかく、ローラのアクションは凄いです。X-MENシリーズとは思えないくらいに凄いです。
正直不安要素の塊だったんですが、いざ本編を観ると、しっかり原作のローラらしいアクションをしてくれたので、ほっっっっとしました。ホント、逆輸入キャラだぜローラって。
そしてアクセントのように加えられた程よい狂気。まるでマイルドなマッドマックスを観ているようだ。
ミュータントが絶滅しかけているだけで、人間自体は全然元気なワケですが・・・。なぜかしらこの狂気は。きっとあいつのせいだ。白いの。
その他、さりげないギャグ要素や、原作(X-MEN)に真っ向からマジレスしたり、ちょこちょこB級映画臭さも出していて、かなーーーーーりいい映画でした。
去年はほんとに何だったんだか。
エピローグなんてホントにアメコミ映画かよって感じで、ウルヴァリン・サーガの終着点として描かれるので、物凄いスッキリする終わり方でした。珍しい。
新三部作も終わって、ウルヴァリンシリーズも終了したってことは・・・・つまり・・・・・ね・・・・・・。『オールニューXなんとか』とか、『アンキャニーXなんとか』とか、『オールニューウルなんとか』とか、そういうのが出てくるんですよきっと・・・・・。
楽しみの反面不安もありますが、この先がかなり楽しみなシリーズだと思います。
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ウルヴァリンVSハルクはもう無理なんですねぇ
【愉快・痛快・爽快】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス
ディズニーがビッグ・ヒーロー・シックス(ベイマックス)のついでに、現地のアメコミオタクですら存在を忘れていた超マイナーヒーロー達を引っ張り出してきたぞ!!!
マイナーヒーローしか出てこない映画なんて売れないなんて言われておきながら、蓋を開けてみればナンテコッタイ/(^o^)\アベンジャーズより面白かったぞ!!!!!!
そんな低俗で最高でクールでギャグまみれでダサくてカッコイイクソ映画、ついに第二弾が公開!!!
その名も
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス・・・・・
もう一度言おう、
オブ
ザ
ギャラクシー
vol.2
待ちに待っていた続編、正直アベンジャーズとかサノスとかどうでもいいです、ハイ。
ノリノリだが比較的に地味めだった前作とは変わり、今作はノリはそのままで全てがハデになっていました。
また、今作では個々のキャラクターが丁寧に描かれており、ガーディアンズのメンバーそれぞれの個性がより濃密になった印象になりました。
作品の雰囲気はスーパー戦隊に近いです。ていうかスーパー戦隊です。
ギャグを交えながらカッコよくスタイリッシュな戦い方をする流れ。なかなか楽しいです。
変に濃密で面白くなかったシビル・ウォー、面白かったけどスカスカしていたDr.ストレンジに続き、今作はその中間を行く感じでした。
一作目では全然描けていなかったキャラクターをしっかり表現しつつ、ストーリーをなおざりにしていないという点は、MCUの中ではなかなか珍しいですね。
考えてみれば、一作目は完全にアトラクション映画ですね。ストーリーもスカスカでキャラクターもスカスカ。まあそれが良いんですけどね。
対して今作。確かに一作目同様アトラクション要素は濃いのですが、それ以外関しては天地の差ですね。
しかもアトラクション要素は一作目と遜色無いという・・・・・。
つまりは、今作は完全なるパワーアップを遂げた素晴らしい作品なんです!!
・・・・・と言いたいんですが、宿命でしょうか、パワーアップした代わりの代償があるわけで・・・・。
2つ、不満な点が。
まず1つは、生身アクションがハデすぎる点。
良かったことは良かったんですが、「それはガーディアンズがやるようなことじゃないでしょ」って感じでした。
特にラストバトルに入ってから。個々のキャラクターのヒーローとしての良さをブッ殺した感じになっていて、結構がっかりしました。
そしてもう1つは最後の締め方。
うーん・・・・・こういうのは望んでなかったな・・・・・。何というか、日本の漫画の個人的に大嫌いな所を捉えた感じで。
全体的に真面目な話なら良かった締め方なんですがね。残念ながら今作は、見ての通りおふざけ映画なんです。
美女と野獣でもそうだったんですが、ディズニーどんどん映画の終わらせ方がヘタになってませんかね。
私個人の趣味から離れているだけかもしれませんが、なんともまあ大胆にブチ壊せたなーという感じです。
次回の彼らの登場は、アベンジャーズ3になるのでしょうかね。
その時に変にチームワークが良くなっていたらどうなることやら・・・・。
エンディングを除けば物凄く面白い映画なんですけどね。特に中盤のグルーのくだりは。
ただ、グルートはちっさくない方がいいなーとか思っている人(わたしです)や、クリス・プラットを見に来ましたーって人(わたしです)には、とことん向かない映画でした。
とはいえ、全体的にまとまりの良い作品に仕上がっていましたし、コレジャナイ感が拭えずともアクションはカッコよかったです。
次のMCUはスパイダーマン。以前ヴェノムの単独映画化が決定し、ダーマもヴェノムもトムでダブルトムだと私の中でわだいになりました。
まあこちらはソニーなんで、日本語吹替版に糞を塗りつけること以外は心配無いです。
問題はソーですね。バトルロイヤルて。
バトルロイヤルて!!!ラグナロクがダメならレグナロクで良かったのに・・・・。まぁこちらはジャパンの問題ですけどね。
ともかく、ソーこそは作品をぶち壊さない終わらせ方をしてほしいです。
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/コンプリート・ヒストリー
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帝一の國【夢を追い、夢を追う者に縋り、夢を追う"物"を陥れる】
東映ヒーロー大集合!!仮面ライダーダブル(フィリップ)!!仮面ライダードライブ!!仮面ライダーマッハ!!トッキュウ一号!!
3月に続き、早くもスーパーヒーロー対戦の最新作が登場!!!
その名も、
フィリップの國!!!
今回は、菅田将暉主演、総理大臣となり、自らの國を創り上げることを夢見る男を描く、青春()映画、
について書いていきます。
時は昭和。海帝高校という戦場を舞台に、将来政界の大物を目指す男達の戦いが起きていた・・・。
生徒会長となり学校を制するべく、男達の血のない戦争は激化していく・・・・・・。
今作のおもしろい所は、登場人物にしっかりとクセがついているところです。
主人公の帝一はもちろんですが、脇を固めるキャラクター達も、個性的で、この手の作品にありがちなクソ真面目な雰囲気になるということを、うまく避けることができていました。
主要キャラのほとんどがクズである点は好印象。やることがみみっちかったり大胆だったり、強弱をはっきりさせている点がクズさを引き立たせていました。
今作は政治家を夢見る少年達の戦い・・・
それはつまり、政治が濃く絡む話・・・
触れられるのは「政治」と「総理大臣」という言葉と、伊藤博文の発言程度でした。
こういう映画って変に堅苦しい内容になるもんだと思っていたんですが、むしろコメディチックで、これは意外でした。
原作もこんな感じのノリなんですかね、なんか読みたくなってきました。
話がリズミカルなのも今作の魅力。
どうでもいいシーンはがっつりカット。いいですよこれ。原作がどうなのかはわかりませんが・・・・。
全体的にストーリーはポンポン進むカンジなんですが、所々しっかりとタメや間があるシーンもあるので、スカスカ感とかはそれほどなかったです。
今作、確かに良い映画なんですが、正直言って普通すぎました。
普通すぎておもしろいのボーダーラインをぎりぎり超えられていなかったです。
私は公開日に見に行って、その日の内に記事を書こうと思ったのです。
ただ、いざやってみると書くことが無くて、登場人物について書いている地点で相当悩んでました。
二回目ですが、良い映画なんですよ。ただ普通なんですよ。
褒めるにも褒められないし、批判しようにも批判できんのです。
うーんもったいない。
かなり良いテーマでしたし、模試や和太鼓、マイムマイムのくだりの盛り上がりは良かったんです。しかし、それ以外がド直球すぎて面白みが無いんです。
不完全燃焼・・・というより、10の内3くらい完全燃焼して、残り7は燃えてすらいないって感じ。そんな映画でした。
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前から実写化するんだろなって思ってはいましたが、まさか菅田将暉が主演のスーパーヒーロー対戦になるとは思いませんでした。
美女と野獣(2017)【新解釈を加え、新たなる美女と野獣が生まれる】
当人はディズニーアニメーション版はほとんど観たことがありません。また、原作も未読です。
ラ・ラ・ランドに次ぐ今年のミュージカル映画。またエマかよ。
ディズニー屈指の名作、美女と野獣を、新たな解釈を加えて実写映画化!!
数年前にどこぞの国が実写版作ってた気がするのは気のせいだぞ!!
字幕2D版を鑑賞(エマ・ワトソンをミュージカル俳優が演じるのは嫌だったので・・・)
便箋上実写版ですが、雰囲気的にはリメイクの方が似合う感じでした。
わざわざ実写向けにキャラを改変するわけでもなく、だからといってどこぞのダダ大好きおじいさんみたいな気持ち悪さもなし。ものすごい良いところを突いています。
ストーリーは言うまでもなく、いつものディズニー変人プリンセスのベルが、王子のせいで呪いをかけられた城に居候するというもの。
待望の公開だけあって、初日のレイトショーは満員でした。
映像技術だけは上を行くディズニーが、全てにおいて上を行っていた作品を作り直すので、当然おもしろいです。
最近のディズニーアニメーションとは違い、冒険の範囲が狭い(というより曖昧)ので、個人的にその点も良かったです。そもそも、行動自体が城と村を往復しまくるだけなので、冒険もクソも無いわけで・・・・。
実写化特有の込み入った話になってしまうこともなく、お説教タイムも何かしら動きがあり、上手く観客を楽しませていると思います。
特に終盤に入る頃は、シリアスとギャグが綺麗に調和されており、珍しく作品にのめり込んでいました。
人間以外のキャラクターデザインは一新されており、アニメーション版のディズニー臭くてちょっと下品なもの(超褒めてる)から、精密で高貴で上品なものになっていました。
・・・まぁ、この点が個人的にはあまり好きじゃないことでして・・・・・。
実写版でアニメっぽいデザインのキャラクターを出されると、そりゃあ怒りますよ。アレンジしろやって。
ただ、ゴテゴテすぎるアレンジをされてしまうと、また話が変わると思うんです。
特にルミエールとコグスワース。これはこれでありなんですが、方向性が特に違うというか、ギャグ担当がそういう外見で良いのかというツッコミがありました。これがリメイクに感じた原因でしょうか。
当たり前ですが、今作はミュージカル映画です。歌や踊りで喜怒哀楽を表現します。
ただ、 今作のいやらしいところは、歌や踊り以外でもしっかりとした感情表現がされていることです。
「オイそこは歌うなよ」とか、そういうのを理解し、メリハリをつけた作品に仕上がっています。
広く見れば素晴らしい映画です。
主人公以外のキャラクターもしっかりと根を張らせた描き方をし、絶望の描写もホントに絶望的です。
ただ、どうしても気に入らないことが2つあります。
まず一つ、上映時間。
さすがに長いです。とはいえ余計なシーンがあるわけではないのですが・・・・。
やけに長いなーと思って後々調べてみたら、なんと今作、130分もあるようです。
うーん、100分程度であればまだ良くても、2時間を超えてしまえば、ディズニーのおとぎ話のカテゴリから外れてしまうような気がしました。
作品が良かっただけに、もっと簡潔にまとめてほしかったのは正直なところでした。
次は物凄く気に食わなかったこと。
スタッフロールです。
散々泣かせといてアレは無いです。
個人的に大嫌いな大物アーティストによるオリジナルぶち壊しアレンジと、今更感満載のキャラ紹介、そしてどうでもいい演出の3コンボ。
いや、そうじゃないの。この際真っ暗スタッフロールでリトルマーメイドみたいなアレンジでいいの。
なぜそこでこれをやる?!ってな感じで、パッと涙が引けました。ものすごい勢いで現実世界へ引き戻されました。
・・・・ハッ!!!あの地上波初放送のアナ雪は今回の伏線だったのか・・・・・・・。
・・・と、誤魔化しておいた私でした。
作品自体はかなりいい出来で、のんびり観るも良し、じっくり観るのも良しな、ハイブリッド映画でした(こういうことよく書いてる気がする)。
ただ・・・スタッフロールはホントに酷いです。
感動の渦が一瞬でシラケます。
うーん・・・・・やらかしたなぁディズニー。
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ポット夫人は平面じゃなかったほうが良かったと思います。
レゴバットマン ザ・ムービー【家族を描く、心温まるストーリー】
バットマンvスーパーマンやスースクの、盛り上がりからのズッコケのせいか、わりと静かに公開された今作。
しかし、レゴの世界のバットマンはお調子者でおバカさん。スーパーマンが嫌いなせいでハブられているお一人様です。
そんなバットマンですが、今作では「家族を作る」ということで、養子として少年:ディックを招き入れる(招き入れてしまう)ことになります。
今作は、このディックという少年や、良き理解者(?)であるジェームズ・ゴードン警部補の娘:バーバラ・ゴードンを軸としたバットマン=ブルース・ウェインの成長劇となっています。
レゴバットマンというだけあって、ほとんどの物質や物理法則がレゴ基準になっています。
また、滑らかなカメラアングルにカクカク動くキャラクターという、統一性のない映像もなかなかおもしろいです。
全編CG映像らしいですが、プラ特有のツヤは物凄いちゃんとしていますし、光の当たり具合がミニチュア感を出しており、ストップモーションアニメっぽくなっているようにも感じました。
これまで冷静沈着でクールな印象が強かったバットマンですが、今作では妙にテンションが高く、おちゃらけた感じになっていました。
実際、本編中にはこれまでの実写バットマンをネタにしたシーンが多く、ダークナイトやティム版はもちろん、BvSや乳首(観てない)、ドラマ(観てない)すら巻き込みます。
バトルシーンに関しても、いつものアツい殴り合いやガジェットを用いた戦略バトルも無く・・・・・つまりは、忍びなれども忍ばない、忍びなれどもパーリナイ、暴れるぜ止めてみなという感じです。
とはいえ、『演出』で戦うという点や、殴るの大好きな点は従来通り。ムキムキで黒い蝙蝠コスして敵をボコボコにしていればとりあえずバットマン・・・というわけです。
ビークルを多用したアクションはレゴのクセにド迫力で驚きです。
今作のヴィランは・・・・・たくさんいます。メインであるジョーカーをはじめ、ベインにキャットウーマン、ポイズン・アイビーにクレイフェイス、スケアクロウにトゥーフェイスetc…一瞬だけ現れる奴も入れればたんまり出てきます。
また、配給会社がWBであることを良いことに、DCヴィランだけでは飽き足らず、WB映画の悪役も登場しやがります。
ヴォルデモート卿やサウロン(指輪物語 観てない読んでない)キングコング(オリジナル観てない)、グレムリン(観てない)etc…もうめっちゃくちゃです。褒めてます。
今作、今や実写版バットマンでは必ず付きものである『孤独なヒーロー』を、全く違う方向性で描いています。
先ほど述べた通り、今作は孤独なヒーロー、バットマンが『家族』というものに向き合い、それにより彼の心境が変化していき、葛藤する物語になっています。
レゴのバットマンからして、一見ギャグ要素の塊のような雰囲気ですが、作中のテーマそのものは、マン・オブ・スティール以降のDC映画とは思えないほど良くできています。
特に終盤の展開は、原作のロビン(達)に起きたことを知っている人にとって、とてつもない鬱展開だったでしょう。実際私はハラハラドキドキで叫びそうになったわけで・ ・・。
少し・・・というよりも、普通に下品な表現が多く、ギャグのネタがタイムリーじゃないという物凄い痛手のある作品ではあります。
しかし、テーマに関しては全くおざなりにせず、むしろ前面に出して重く描かれていました。
どこぞの映画4,5本作れるくらいのテーマを押し込んだどうしようもない映画とは違い、単純・簡潔・明確で、最近のモヤモヤした映画の描き方とは違い、比較的オールドスタイルな作風となっていました。
制作側の変態スタッフの変態CG技術も素晴らしく、最近のアメコミ映画の中では、ズバ抜けてうまくまとめられた作品だと思います。
ちなみに意地張って字幕を観たので、吹き替えがどんな出来かは知りません。
とにかく、タレント吹き替えじゃあ一気に冷めてしまうような映画でした。
レゴの映画・・・・次回作が楽しみです。
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ちなみに私泣きました