ゼロ・グラビティ【驚きの特撮技術、驚きの退屈さ】
タイトルを変更し忘れていました。申し訳ありません(現在は変更済)。
アカデミー賞も受賞し、驚きの特撮技術と、近年では珍しい『静寂な恐怖』を描いた作品。それが
「ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)」
です。
今回はこいつの話をしていきましょう。
得点
・ストーリー:47
・テリング:50
・バランス:23
・キャラクター:66
・リズム:30
・迫力:28
・総合:49
得点は百点満点であり、その場で簡単に点数付けしているので、あまり重要に考えないことをおすすめします。
今作はご存知の通り宇宙が舞台のSFサスペンスです。
ジャンルはSFではあります。しかし、宇宙は無音、等速運動する運動エネルギー、上も下もない暗闇に残される恐怖感など、かなりリアル志向です。NASAに色々ツッコまれたらしいてますけどね。
今作にはベイダー卿のような悪役はいません。遠い昔でも遥か遠くの銀河系でもありません。地球の近くの宇宙空間です。
今作は宇宙空間から地球に帰還するために奮闘するサバイバルです。
私は今作を観るとき、期待通りにはならないと思いました。
…………はい、残念ながらその通りでした。
作品自体はちょっとだけ良かったと思います。ああいう恐怖感は楽しいです。
でも、バランスが悪いんです。宇宙空間から脱出(地球に帰還)するために奮闘するというものは結構地味な類です。強力な脅威である宇宙空間を表現すれば、それで十分いい映画です。
しかし、必要のない展開や、地味な世界観に対して度々現れる派手な演出は、かなりアンバランスに感じました。
それに、キャラクターの精神的な成長がストーリーにあまり関連してませんでした。しかもその流れが長すぎます。
その流れの中で、どんどん作品に飽きてしまいました。
そして今作の最大の欠点は、長すぎる『間』です。
今作は『静寂な恐怖』を表現するため、『間』を意識した作風となっています。
「じゃあ『間』に長いもクソもないやろ!」と思う人もいると思います。マジで長いすよ、コレ。はじめの『間』でさっそく寝そうになったっていうね。
ホラーやサバイバルでは、『間』というものは重要な役割を担っています。もちろん今作もそれの対象です。
しかし、その『間』を意識しすぎて退屈なほど長くなり、他のことが疎かになり、表現がやりすぎになってしまってるんです。
ただ、特撮技術は凄くいいです。
よくあるSF映画の合成感は無いですし、光のあたり具合に作り物感もありませんでした。
内容さえ無駄がなければ、今作は凄く良かったのではないんでしょうか。
邦題の愛のなさはハンパない