えいがきのえいが【90年代生まれ視点の映画レビュー】

90年代生まれ視点の映画レビュー 当ブログは個人的な意見をバカ正直に綴ったもので、映画の品質を保証するものでもありません。映画を否定しても、その映画に関わった人物を否定しているのではありません。例え人をバカにしても、それはその人を尊重した上での行為です。

仮面ライダー鎧武【奥深いストーリー。相対する意志。黄金の果実をめぐる戦い。】

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こっからは俺のステージだ!

ゴメンな姉ちゃん。俺もう・・・姉ちゃんの手料理食べられないや・・・。

 

俺は俺の道を選ぶだけ!運命など知ったことか!

頼られる事があっても、頼る事などは許されない。それがスイーツ系男子の宿命だ。

忘れるなよ坊主、いつだって最後に頼れるのはボイメンの強さだ。

 

紘汰さんのせいだ。紘汰さんに関わるとみんなおかしくなってしまう・・・。

黙ってろよ、クズ。

確かにあの人はヒーローだった。でも…もう紘汰さんはいない…だから僕達が、ヒーローにならなきゃいけないんだ!

悪臭ってのはね、ファブリーズで無くせるモノのことさ・・・。

 

この世界は理由のない悪意がいくらでも転がっている・・・。

 

パティシエ…なめんなよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お前は・・・・本当に強い・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 ハイ、今回は久しぶりにシリアスな路線を走った作品の、

仮面ライダー鎧武

について話していきます。

 

 今作は、

・脱・2話完結

・原点復帰

・多数ライダー

などなど、様々な試みを持った、まさに『挑戦』的な作品です。

 

 脚本が『魔法少女 まどか☆マギカ』で有名な元(?)アダルトゲーム脚本家、虚淵玄であるために、発表当時には(いろんな意味で)相当話題になりました。

 もちろん、そんなだけあって多くの方が不安になり、多くの方がまどマギのようなストーリー=仮面ライダー龍騎の劣化版になるだろうと考えていたっぽいです(多数ライダー作品であるのも共通点だったですしね)。

 

 結果、確かにまどマギに近いストーリーでした。というより、男版まどマギでしたよ。うん。

 でも、龍騎の二番煎じ感というものはほとんどありませんでした。たしかに、影響は受けているそうですがね。龍騎はまだ見てないですけど・・・・・。

 


 

得点

  1. ストーリー:93
  2. テリング:78
  3. バランス:80
  4. キャラクター:100
  5. リズム:75
  6. カッコよさ:89
  7. 総合:88

 点数は100点満点の目安です。作品の面白さを保証するわけでもなければ、他記事との点数のバランスも考えられて付けられたものでもございません。

 


 

 ではでは、そろそろ話していきましょう。

 

 今作はかなり異色です。次回作のドライブでさえ異色でしたが、今作は2期ライダーの中ではかなり浮いてます。シリアスでも、明るさはしっかりと出す傾向の平成ライダー2期シリーズですが、今作は結構暗いテイストでした

 ストーリーが暗いだけあって、子供にはあんまりウケませんでした。しかし、大人からは超ウケましたVシネが4本作られた上に、ロックシードやフィギュアが放送終了後に1年以上出続け、変身ベルト2種が再版されたほどですよ。

 

 そんな大人ウケするストーリーを軽く説明していきます。

 


 

 時はライダー戦国時代(と言っても現代)、沢芽市では『ビートライダーズ』と呼ばれるダンスチーム達がいた。

 彼らは、かつて共にダンスを踊り合う仲であった。しかし、市内にある大企業、『ユグドラシル』によりビートライダーズ中に『ロックシード』という錠前が出回り、それで呼び出すことのできるインベスを使ったバトルがはじまる。そしてビートライダーズは、ロックシードによる陣取り合戦をし合うことになる。

 

 そんな中、チーム鎧武のリーダー、裕也が行方不明になる。主人公でチームガイムの元リーダー(現在は引退してフリーター)の葛葉 紘汰と、ヒロインの舞は裕也の創作中、空中に浮くファスナー、そしてその中にある謎の森を発見する。2人は中に入ると、ベルトのバックルのようなものを見つける。

 

 外に脱出する二人だが、そこで現れたインベスに遭遇、その時、舞にそっくりな謎の女と出会い、警告を受ける。紘太は先ほど拾ったベルトのバックルのようなものを腰に巻き、ロックシードをはめ込んで鎧武者へと変身し、インベスを倒すのであった。

 

 この謎のベルト、戦極ドライバーは、実はユグドラシルが開発したものであり、とある計画の一つであった。それを知らないビートライダーズ達は、戦極ドライバーによって戦いが激化していく・・・。

 その中、一部の人間がユグドラシルの陰謀に感付き、大企業の驚きの陰謀が発覚するのだった。

 しかし、そのユグドラシルの陰謀の裏で、さらに別の陰謀が動き始めていたのだった・・・・・・・。

 新たなシステム、ゲネシスドライバー。明らかになっていく『黄金の果実』の存在。謎の女の正体。

 はたして、戦いの末にたどり着くものは、黄金の果実を手にするものは・・・・。

 


 

以下、ネタバレ注意です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今作の面白い所は、どうでもいい話がほとんど無いというところ。最近、おもちゃの宣伝のために作られたような話が多い仮面ライダーですが、今作はほぼ毎話、ストーリーを少しづつ進めていくので、観ていてすごくウズウズしてワクワクします。

 


 

 勘のいいクソガキの呉島光実(以下:ミッチ)。正義感が強いバカな紘汰。ボイメン兼チームバロン、クールで強さを求め、正義感の強い頭のいい人、駆紋戒斗。

 その他にも様々なキャラクター、仮面ライダーが登場する今作ですが、レギュラーのライダーは全員しっかりとキャラクターが描かれております

 

 中でも個人的に気に入っているのはミッチです。

 彼はネットでも散々ネタにされるほど闇に飲まれていきます序盤では笑顔を振りまき、頭の悪い主人公を引っ張っていたのですが、話が進むに連れどんどん人が変わっていきます。

 その反動で、よく闇ミッチと言われることが多い彼です。もう、ほとんど悪役になっちゃいます。

 ミッチは作中、何度も子供向け番組にしてはヤバイ言動をします。そこも見どころです。なんせ、背後から隠れて攻撃しようとした結果、標的のライバルにキレられてボコボコにされるようなヒーローなんてなかなかいませんよ。

 ちなみに今作が放送中、闇ミッチの後にファブリーズのCMでミッチ役の高杉真宙が出てくるので、結構おもしろかったです。ヤバイ言動の後、CMで修造がお父さんの一般家庭(?)で生活しているというギャップ。狙ってやってますと言わんばかりです。

 


 

 上で書いた通り、キャラクターは完璧です。個性的で、各々、志を持ち、葛藤する姿がしっかり描かれています。

 

 思想の違いで憎み合い、対立し、時には共闘する。その中で見出したお互いの共通点。主人公だけが正しいことを言うのではなく、様々なキャラクターが正しいことを言う。それはお互いに矛盾し合う。

 などなど。個性的で、キュウベぇのように善悪がはっきりしない風に描かれているキャラクター達は、見ていてすごく楽しいです

 

 ファイズは「正義とは何か、悪とは何か」を描かれておりました。今作はそれに近いのですが違います。今作は「己の道を突き進む」です。

 特に葛葉紘汰と駆紋戒斗は思想が正反対であり、お互いに己の道を行き、ぶつかり合います。そこには憎みは存在しないという所がポイント。勧善懲悪では語れない、二人の関係は見ていてとても考えさせられます。

 


 今作、子供受けはしなかったものの、カッコよさは強いです。

 個々の能力を活かし、

  • 連撃、速攻の鎧武
  • パワフルなバロン
  • テクニカルで繊細な龍玄
  • 同じくテクニカルで隙のない斬月(・真)
  • パワフルで隙のないブラーボ

その他色々、統一性とハデなアクションがしっかりしていて、多少ワンパターン感があったものの、カッコよさには飽きがありませんでした。

 


 

 今作、脚本は全体的に自由に作られていると思います。得に第46話は。

 ひとつ前の話でバトルの途中で終わり、仮面ライダーらしい結構な盛り上がりがありましたが、続きの46話ではこの展開はあっさり片付きます

 46話は仮面ライダーのバトルではなく、葛葉紘汰と駆紋戒斗のぶつかり合いの末にたどり着くもの、黄金の果実がもたらすもの、文明の誕生と壊滅が主に描かれるものでした。そこには仮面ライダーっぽさは殆どないのですが、1年間続いた仮面ライダー鎧武を締めくくるストーリーとしてはかなり良いものでした。もう一話最終回がありますけどね。

 弱さを受け入れようとする葛葉紘汰と、弱さを乗り越えようとする駆紋戒斗

 弱い物は守り続けなければならないという葛葉紘汰と、弱い者が生きるためには強くなるしかならない世界を憎む駆紋戒斗

 人類の存亡のために戦う葛葉紘汰と、弱きものが存在しない世界=インベス(オーバーロード)が支配する世界を作るため戦う駆紋戒斗

 ホント、思い返すと葛葉紘汰と駆紋戒斗って正反対で彼らの関係って深いですよね。お互いに葛藤し、希望を抱き、絶望する姿。これらすべてがぶつかり合う46話、ホント面白いですよ。

 もう一つ、46話のおススメがありますが、あえて語らないようにしときますね。 

 


 

 子供ウケがどうであれ、大人にはウケましたし、ストーリーもしっかりと、キャラクターが丁寧に描かれていました。それは、脚本家が虚淵玄であったからこそなのだと思います。

 エロゲ作家だの劣化龍騎になるだの散々言われましたが、結果的に『意志のぶつかり合い』という、いかにも男(漢)らしくアツいストーリー展開が評価される作品となりました。役者にも恵まれ、キャスト全員がノリノリで制作に加わっていたカンジが、画面越しに伝わってきました。

 

 まどマギが深いストーリーであったため、今作はかなりシリアスでダークなストーリーになるだろうという高いハードルがあったのは確かです。そんな高いハードルは、どのライダーにも立ちはだかるものです。乗り越えられなかった作品だって多いです。

 そんなハードルを乗り越えるどころか、さらに上を飛んだのが今作だと思います

 

 今後、しばらくはこんなテイストの作品はしばらく出ないとは思いますが、現在放送中のゴーストより後の作品では、今作のようなテイストを、少しでも受け継いでほしいと思っています。

 

 

 

 

 

 

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仮面ライダードライブ【熱いライダー!熱いバトル!!】

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左から仮面ライダーマッハ、仮面ライダードライブ、仮面ライダーチェイサー

 

 


 

 

 

 

ひとっ走り付き合えよ!
Start Your Engines!
この男(ライダー)、ドライバー

 

追跡!撲滅!いずれもマッハ!
仮面ライダーマッハ!!

 

何をしている!
人間を守るのが
仮面ライダー使命ではないのか?!

 

 

 

 

 

 

イッテイーヨ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

行っていい、ってさ・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 2014年から2015年まで放送した、平成仮面ライダー第16作目。仮面ライダーなのに車に乗って、外見も車そのものの異色なライダー
 今回は、そんな
仮面ライダードライブ
について話していきます。

 

 

 

 




 今作はゴーバスターズまでとは言わずとも、かなりのおもちゃが売れ残ってしまったらしいです
唯一売れたおもちゃはマッハドライバーくらいでしょうか。・・・あれ、めっちゃ欲しいです。ボタン押しまくってズートマッハしてたいです。

 おもちゃが売れなかったのは、多分、車に乗るっていう設定悪さのせいなのでしょうか。
 まあ、誰もが予想はしていたと思いますがね。でも、いざドライバーなライダーが登場した時に、多くの方が拒否感を抱いてしまったのではないんでしょうか。
 あと玩具が高い!という気がしました。特にトライドロンなんかは、ドライブのフィギュアに合させなければいけないので、かなりデカイ上に高価でした。なにせ未だにワゴンセールにありますし。

 

 

 

 




 今作は、異色すぎるライダーや高価な価格帯により、子供からはあまり評価も得られず、おもちゃも大量に売れ残ってしまった、不幸な作品でした。
 しかし、この作品の内容は、二期の平成ライダー(W以降)の中でもかなり面白いです。それにメチャクチャカッコイイです。

 

 

 

 




 ツヤツヤなゴッテゴテボディに車の特徴を持ったデザインのドライブ。
 一見、仮面ライダーらしさがあまり見当たりませんが、いざ動くと意外に仮面ライダーです。最近のおもちゃっぽい戦い方は否めませんがね。


 今作は主な仮面ライダーが3人登場します。ドライブマッハチェイサーです。この3人、全員カッコイイです。ちゃんと仮面ライダーやってますよ。
 3人とも個性や華があり、
・常にキレてるドライブ
・目立ちたがりやで、強さにこだわるマッハ
・登場する年代を間違えたチェイサー
という風です。

 特にチェイサーは凄いです。セリフが深いです。今作ではしっかりと「仮面ライダー」という言葉が存在し、チェイサーはその言葉を多用します。
 仮面ライダーということに最も誇りを持ち、最も仮面ライダーらしいことをする彼は、まさに昭和ライダーです。だから登場する年代を間違えた人なんです。褒めてるんですよ。

 対して、マッハは一期の平成ライダー(クウガ~ディケイド)っぽく、特に555のライダー達に近いです。
 たっくんのように独りで背負ったり、草加くんのようにロリショージョもといロイミュードのせん滅にこだわり、北崎くんのように強い決意をします。
 いちいち動きがカッコいいですしね。

 

 

 

 




 今作、主人公が刑事ライダーでもあるので、警察が関与しますクウガを観ていた方にとっては懐かしいものになるのではないでしょうか。
 警察が関与している共通点を見ると、ドライブはソフトなクウガのように感じました

 上では車に乗るライダーとか、常にキレてるライダーとか、新感覚なものばかりですが、こういう懐かしさがあることで、個人的にはかなり受け入れやすかったです。こういう人も多いのでは・・・?

 

 

 

 




 今作、ストーリーもいいです。というより色んなテーマがあって全く飽きませんでした。

 仮面ライダーは、一つや二つのテーマを描きます。中では、ちんたら流れるストーリーに飽きてしまう時も多いです。
 私は、今作を観るときに、そんなことになってしまう予感がずっとありました。

 しかし、今作はテーマがめちゃくちゃあります。
刑事ドラマ、プロトドライブの謎、マッハの葛藤、モエニュード一もといロイミュードの心の変化、魔進チェイサーの苦悩、主人公の父の謎などなど。
 飽きる、飽きないよりも、飽きる前に次のテーマに移るのです。凄いですよ。

 特に大好きなのは魔進チェイサー関連です。私のマニアックな好みではなく、ドライブが嫌いだけど魔進チェイサーは良かったという方も多いようです。


 完全な敵とは言い切れない魔進チェイサーは、序盤ではロイミュード側に立っています。
 そこから次第に孤立し始め、ロイミュードであるべきか、人間であるべきかという苦しみ始めます。そんな中、ロイミュードのハートから『友』として接され、主人公からは説教され・・・。
 こんなのを見てると、555とおんなじ感覚に陥ってしまいますね。私まで葛藤しましたよ。
 ホント、いいヤツでしたよ。

 

 

 

 




 とにかく、今作は平成ライダーの中でもオススメできるものです。
 変身ベルトがとてもカッコよく、アクションもハデ。敵のデザインが完成していて、キャラクターも丁寧に描かれています。
 おもちゃの仕様的にはスピンオフを作るのは難しいですが、キャラクターのその後の話や、本編の裏側の物語等が観てみたい、そんな作品でした。

これからのレビュー

ゼロ・グラビティ』の時に予告なしにちょっとやってしまっていますが、今後からレビューのやり方を変えて行こうと思います。

 

 


それは、
「得点」の追加
です。
 これまで、点数付けしてしまうと、どうしても拒否感を覚えてしてしまう方がいるかもしれないと思い、これまで作品に得点はつけない方針でブログを書いていきました。


 現に私もその中の一人です。


 一口に映画と言っても、ジャンルは様々です。アクションもあれば、ヒューマンドラマやサスペンス、ホラーもあります。フィクションに止まらず、実際に何年間も密着し続けた、100%ノンフィクションな映画だってあります。

 では、そんな作品たちを、監督や脚本家、役者などの多くの人物が集まって作られた芸術を、1つの物にして数字を付けてしまうのはどうなのでしょう。以前までは、それは失礼に値し、やるべきでないことだと考えていました。

 

 しかし、考えてみると、これまで作品に文句を言ったり、人をからかったような発言をしたりしている地点で、私は失礼な人間です。匿名を利用して言いたい放題するアレです。

 言いたい放題、つまり得点を付けているようなものです(失礼な点という共通点で)。そこで、失礼な私は、あえて作品に得点を付けてしまおうと考えました。ただ、少々大雑把にやります。


 

採点においての概要

 

 

  ・基準はナシの100点満点採点です。

  ・映画という一つのジャンルとしての採点ではなく、その作品だけを観て、その場でさっと決めます。

  ・他作品の得点を見てしまうと基準が発生してしまうので、それは見ず、気にせずに採点します。

  ・あくまでテキトーに考えたものですので、得点が異なっても同じ面白さ、もしくは得点が低い方が面白かったということがあるかもしれません。


 

 要は、レビューする作品だけを見て採点します。「映画として」でもなく、「そのジャンルの中で」でもありません。「この映画は」としてです。作品のテーマやストーリーなど、全体がマッチしているか、美味しい所をちゃんとつかめているか、観る人を楽しませてくれているかとしての採点です

 目安として見てください。

 



得点の種類
・ストーリー
 ストーリーの盛り上がり、分かりやすさ(場合によって難しさ)などの点数。

・テリング
 キャラクターの感情表現力、感情の伝わりやすさ(場合によっては伝わりにくさ)。

・バランス
 『ストーリー』と『テリング』のバランスの良さ。一方に力を入れすぎて、一方に全く面白味を感じないときは、低い点数になります。

・キャラクター
 キャラクターの個性の分かりやすさ。しっかりと個性的なキャラクターを生かしきれているかなど。

・リズム
 話の流れの良さ。モタモタしてたり、ストーリーの進まない休息の部分が長すぎたり、あるいは無かったりすると、低い点数になります。

・『特別項目』
 作品によって異なります。例えば、アクションなら『迫力』、ドラマならば『感動』など。悪い作品にはネガティブな項目にもなる場合もあります。

・総合
 すべてを通しての得点。どれだけおもしろいか、あるいはどれだけおもしろくないかを数値にして分かりやすく出したものです。

 




 以上です。
 これからも趣味全開にやっていきますので、よろしくお願いします。

【一瞬回っておもしろい!】平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊

毎年やってる東映ヒーロー大集合シリーズ。
その中でも、昭和ライダー(ライダーマン含む)と主役平成ライダーの数が揃ったということで制作された今作。
その名も
平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊
です。あぁ~、長い!今回はこちらの感想をタラタラ話していきましょう。



 今作は平成ライダー数人を主人公にストーリーが展開されていきます。
 その中でもひときわ印象に残るのは、たっくんこと『乾 巧(いぬい たくみ)/仮面ライダー555』です。
 公開当時放送中だったライダーである、『葛葉 紘汰(かずらば こうた)/仮面ライダー鎧武』よりも目立ってますよハイ。ついでに美味しいとこをかっさらう世界の破壊者こと『門矢 士(かどや つかさ)/仮面ライダーディケイド』よりもです。
 他にも、『左 翔太郎(ひだり しょうたろう)/仮面ライダーW仮面ライダージョーカー』も出てきますよ。
 さらにさらに、『本郷 猛(ほんごう たけし)/仮面ライダー1号』や『神 敬介(しん けいすけ) / Xライダー』、『村雨 良(むらさめ りょう) / 仮面ライダーZX』という、昭和ライダーも登場しますよ。

 

 今回はストーリーについて話すと面倒なのでやめておきます。

 


 

  今作のアクションは結構良いです。スーパー戦隊の出番を最小限にして、さらに活躍するライダーもある程度絞ってあるので、無理やり感は意外にも薄いです。意外にも、程度ですけどね。

 

 ただ、アリかナシかと訊かれたら・・・・・ナシでした。

 なんというか、複数の映画をはしょりにはしょりまくって1つにしたものを観せられたってカンジでした。

 ストーリーの数が多すぎるんです。こういう傾向は特撮作品にはよくあるもんですが、今作はそれがかなりきついです。しょっぱなから観てる人を猛スピードで置いていきます。

 

 

 思い浮かぶストーリーを挙げていくと、

・紘汰がヒーローらしいことをするストーリー

・士の美味しいとこどりなストーリー

・翔太郎の迷子(人間、猫、カメ)探し

・小林 豊(仮面ライダーバロンの人)さんによるボイメンファン大喜びのギャグ

・親子愛の物語

・巧と敬介出会い

・巧の葛藤

というカンジ。

 

 一つ一つのストーリーは結構いいんです。鎧武関連は別ですが・・・。特に巧と敬介が出会う話は結構楽しいです。世界観がワケがわかんないですがね。

 結構な改変によってTV版の555よりソフトなたっくんになってますが、顔も雰囲気も声も大人になった半田さんが再び演じる巧を観ることができるのならば、嬉しく思う人は多いのではないでしょうか(ちなみに私も555は大好きです)。

 

 でも、やっぱりストーリーが多いです。どれに焦点を当てたいのかが全く分からないっていうね。

 


 

 どうやら今作から「仮面ライダー4号」まで、たっくんの出番が多いようですね。

 ・・・ってことは、もしかして今作は東映仮面ライダー555の後日譚を描きたくて制作されたって事なのでしょうか。未完に終わったあの555、たっくんの戦いを終わらせてあげるってわけですか。

 

 そうすれば納得・・・・・・・・・・・・・・・・というわけにはいきませんね・・・・・・うん。

 

 ファイズの世界』にXライダーが登場しちゃうんです。ビックリですよマジで。オートバジンがさらっと復活してるのはともかく、草加くんがかっこいい死に方する改変もともかく、Xライダーによるたっくんの心情の変化はめっちゃくちゃ違和感ありますよ

 まあ仕方ないんですけどね。だってこの作品が平成ライダーと昭和ライダーの戦いを描いてるんですから。わがまま言っちゃあダメですね。最近流行りのパラレルってやつなんですよ。

 


 

 今作はアンバランスで詰め込みすぎで、とにかくメチャックチャです。

 

 でも、今作はしっかりとアクションはしてますし、ほんのわずかの尺でしたが、平成ライダー対昭和ライダーというのは結構楽しかったです。

 一周回っておもしろいってやつですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

でもこれMOVIE対戦2010の二番煎じなんだよね。

劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

今回は
劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(以下、劇場版あの花、テレビ放送版はあの花)
について話していきます。



 今作は、2011年にフジテレビの『ノイタミナ』にて放送され、大反響を起こしたアニメ作品の劇場版です。
 去年公開された『心が叫びたがってるんだ。(以下、ここさけ)』の人たちの作品ですね。

 



ストーリー
 あの花』から一年、超平和バスターズのメンバーは、成仏しためんまに手紙を送ることになる・・・。

 

 



 今作、ストーリーはそんなに濃くないです。シンプルです。
 というか、今作は「ストーリーを楽しむ作品ではない」と考えたほうが無難です

 今作の肝となる部分は、あの花』の補足です。
 『あの花』のシーンをそのまま使って、そこに補足を入れ、さらに新規のシーンを加える形です。
 『あの花』にはよくわからない描写が多いんです。これ、結構思ってる人多いですよね。
 まあ、ほとんどが察すればわかることなんですけどね。
 でも、実際に補足を観て、「あぁ~なるほど~」とか、「やっぱりか!」とか、そういうのが分かるという感情を楽しむと、結構おもしろい映画ですよ。

 

 



 個人的な不満ですが、やはり感動できるシーンに、無理やり泣かそうというカンジがありました
 「やはり」です。つまり、『劇場版あの花』だけでなく、『あの花』でもそうなんです。話を聞くと『ここさけ』もそうみたいです(話を聞いただけなんで分かりませんがね)。

 まあ、泣きましたけどね

 

 



 今作、総集編ではありますが、『あの花』を観たことない方が観てもワケが分かりませんよ。ココ、注意です。

 僕的にはおもしろかったです。完全新作なんて(既に完結してるので)正直見たくなかったので、これくらいの話で十分でした。
 「もっと観たい!」という方には向いていませんが、「キャラクターをもっと知りたい!」という方であればぜひオススメしますよ。

ゼロ・グラビティ【驚きの特撮技術、驚きの退屈さ】

 タイトルを変更し忘れていました。申し訳ありません(現在は変更済)。

 アカデミー賞も受賞し、驚きの特撮技術と、近年では珍しい『静寂な恐怖』を描いた作品。それが
ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)」
です。
 今回はこいつの話をしていきましょう。


 


得点
  ・ストーリー:47
  ・テリング:50
  ・バランス:23
  ・キャラクター:66
  ・リズム:30
  ・迫力:28
  ・総合:49
 得点は百点満点であり、その場で簡単に点数付けしているので、あまり重要に考えないことをおすすめします。

 

 

 




 今作はご存知の通り宇宙が舞台のSFサスペンスです。
 ジャンルはSFではあります。しかし、宇宙は無音、等速運動する運動エネルギー、上も下もない暗闇に残される恐怖感など、かなりリアル志向ですNASAに色々ツッコまれたらしいてますけどね。

 今作にはベイダー卿のような悪役はいません。遠い昔でも遥か遠くの銀河系でもありません。地球の近くの宇宙空間です。
 今作は宇宙空間から地球に帰還するために奮闘するサバイバルです

 

 

 

 




 私は今作を観るとき、期待通りにはならないと思いました。



 …………はい、残念ながらその通りでした。

 作品自体はちょっとだけ良かったと思います。ああいう恐怖感は楽しいです。

 でも、バランスが悪いんです。宇宙空間から脱出(地球に帰還)するために奮闘するというものは結構地味な類です。強力な脅威である宇宙空間を表現すれば、それで十分いい映画です

 しかし、必要のない展開や、地味な世界観に対して度々現れる派手な演出は、かなりアンバランスに感じました

 それに、キャラクターの精神的な成長がストーリーにあまり関連してませんでした。しかもその流れが長すぎます
 その流れの中で、どんどん作品に飽きてしまいました。

 

 

 




 そして今作の最大の欠点は、長すぎる『間』です。
 今作は『静寂な恐怖』を表現するため、『間』を意識した作風となっています。
 「じゃあ『間』に長いもクソもないやろ!」と思う人もいると思います。マジで長いすよ、コレ。はじめの『間』でさっそく寝そうになったっていうね。

 ホラーやサバイバルでは、『間』というものは重要な役割を担っています。もちろん今作もそれの対象です。
 しかし、その『間』を意識しすぎて退屈なほど長くなり、他のことが疎かになり、表現がやりすぎになってしまってるんです

 

 

 




 ただ、特撮技術は凄くいいです
 よくあるSF映画の合成感は無いですし、光のあたり具合に作り物感もありませんでした
 内容さえ無駄がなければ、今作は凄く良かったのではないんでしょうか。






邦題の愛のなさはハンパない

パラノーマル・アクティビティ【誰もが恐怖する。何も、起きないことに。】

 今やシリーズ化し、日本がパチモノ…と見せかけての続編を作った大ヒット作。かのスティーブン・スピルバーグがリメイクを作りたがったと言えばコレ、パラノーマル・アクティビティです。
 今回はコレについて軽く話したい………の…………ですが…………………。残念ながらあんまり覚えてないので、うろ覚え程度で話していきましょう。
 ちなみに私は一作目のみを観ました。


 

ストーリー

 とあるカップルが自分の家がなんかおかしいということでカメラを設置。そしたらやばいことが起きた。

 

 



 この映画、アイデア自体はいいと思います。ポルターガイスト現象とかのオカルトを題材にした作品で、こういう作風は楽しめるはずです。そう、楽しめる…はずだったのですが……。

 多分、ほとんどの人が思ったでしょう。
 この映画、とてつもなく怖くないです。

 凄くいいアイデアだし、画質の悪さも雰囲気が出ていて良い。ただし、『それ』があるだけで、全く『それ』を活かすことができていないのです。

 流れるシーンの殆どは、カップルが寝てるシーンばかり。
 焦らして焦らして…焦らして焦らして…終わり。
 ビックリですよコレ。全編コレですよ。前半のみと思ったら全編。
 ストーリーらしきものはあるけど、それもなんか味気なくてつまらないです。
 そもそもカップルの男がただのバカで、こいつのせいでヤバいことになったってのが何ともバカらしいんです。

 

 



 続編が作られてるんだからきっといい作品だ~っと思えば思って観るほどガックシ。期待せずに観てもガックシ。
 ちゃんと作ったらっていうか、作風を活かしきれたら凄くいい作品が作れたと思うんです。

 今後、こういうタイプの映画は作ってもいいと思います。焦らすのはいいことですしね。
 ただ、その焦らしの後もしっかりと。ついでに、ちょっとでもストーリーに深みを加えて欲しいです。

 パラノーマル・アクティビティとしてではなく、別のホラーとして…ね。