ボヘミアン・ラプソディ
伝説の男、フレディ・マーキュリー。
彼がフレディ・マーキュリーとして、クイーンとしての半生を描く映画が、ついに日本公開。
クイーン・・・・私自身世代でも何でもないんですが、観に行きました。
最初はパスするつもりでしたが(最近同じこと書いた気がする)・・・・・クイーンだよ?クイーンの曲を映画館で聴けるとかめっちゃ貴重じゃない?
という事にで観に行くのを決めたワケですが、公開2週間前にしてIMAXで上映されることを知りました。いやIMAXで予告が流れるんだから気付けよ。
没後27年なので、彼の物語を映画化するにはちょうどいい頃合いですね。
今作はフレディ・マーキュリーがボーカルとしてバンド入りする所から、85年のライブまで、大体15年間の物語。クイーンとしての物語ではなく、あくまでもフレディ・マーキュリーの物語です。
先程も書きましたが、私はクイーン世代ではないです。なので、リアリティがどーのこーのとか、事実に基づいてどーのこーのとか、そういうことはわかりませんが・・・・
今作、すごく良かったです。今年一番でおもしろかったです。
えっ・・・アベンジャーズ3は?・・・って思いましたが、アレは4ありきの評価がしたいので、まだ甲乙付けられない・・・・というのはウソで、ホントに今年一番です。
フレディ・マーキュリーを描く今作。彼を主観的に描くことなんぞ当然できないワケでして。それで今作は、いわゆる客観的に見せる系の映画になっていました(最近同じこと書いた気がする)。
彼が抱えているものだとか、曲を作る中で彼は何を思ったのか。
そんなもん知らねーよ!!!
という感じ。彼はこう思った、ではなく、彼は何かを思った。
思い返せば、今作は彼に問題を抱えさせたらそれで終わり・・・の繰り返しで構成されていたと思います。
コレが逆に事細かに描かれていたら、彼に過大評価、もしくは最低な男というイメージを与えてしまう失礼極まりないクソ映画と化していた・・・が、今作は違います。
事実を基に描く映画としてはどうなのかってくらいにキャラクターの心情を描かない今作。フレディ・マーキュリーという伝説の男であれど・・・伝説の男だからこそ、裏を掘り返せばドロドロでメチャクチャな人生なのはお察しの通り。だからこそこうやってオブラートを何層にも包んで、内面を『描かない』という手法を取った・・・・のでしょうが、これがまあ大正解だったと思います。
私みたいな『クイーンの世代ではないけど、彼らの楽曲や音楽への情熱は知っている』という人からしたら、フレディ・マーキュリーにより一層魅力と謎が深まるワケですね。
実際私自身、クイーンの曲はたまーーーに頭の中で流れる程度でしたが、今作を観た後はずーーーーーーっと頭の中で流れていますし、フレディ・マーキュリーがカッコいいモーションをしたり、カップヌードルのアレを歌ったりしてます。
上でも書きましたが、私は今作が暫定で今年ダントツで一番おもしろいと思った作品でした。
何より今作、100分間フレディ・マーキュリーの物語を描き、それをクライマックス20分に一気に集約させるんです。
私ですら知っているあのライブを再現したクライマックス。
だからこそネタバレしてしまいますが、We are the championsが完全にツボって本気で泣いてました。
まさに今作の集大成と言っても過言ではなく、文字通り締めくくり、後味の残らないスッキリした終わり方でした(あの曲が流れてより一層引き立つ)。
今作、実は事実と異なる点があるようです。私自身、今作を見た後に知ってメチャクチャビックリしました。
あえて伏せておきますが、全く世代ではない人は、ぜひとも今作を観てから調べてみてください。
その事実と異なる点。
事実通りやってしまうと、あのクライマックスがなんとも後味の悪い終わり方になる上に、興奮を一気に冷めさせるエピローグをやる必要が発生し・・・・・そんな感じです。
映画というモノは、結局は娯楽です。今作はそういう事をちゃんと理解していて、物語構成を優先させたいから、人物像を壊さない程度に事実と違う事をやるね、というノリの物語になっていたと思います。
こういうのって大事ですよね。奇跡の人みたいに。ゔぉー。
上でも書きましたが、私は今作が(暫定)今年ダントツ一番でおもしろかったです。
世代ではないにしても、カップヌードルの人だよね程度の知識しかなくても、今作はフレディ・マーキュリーの物語として、一つの映画として、素晴らしい作品だと思います。
入念に練られ密度が高くリズミカルなストーリー、そして今作の一番の魅力とも言える『描かない』という手法。
そうやって『人間臭いフレディ・マーキュリー』を描き、最後に皆が知る『カッコいいフレディ・マーキュリー』を描くのが今作です。
世代ではない私ですら拍手喝采(脳内)ですから、クイーンの栄光を知る人にとってはもう大爆発モノ(オブラート)でしょう。
フレディ・マーキュリーを忠実に描いた・・・かどうかは分かりませんが、今作はかなり素晴らしい作品だと思います。
映像の質感がシーンごとに違う箇所があって、その点ちぐはぐな感じがしましたが・・・・それを含めても、あのストーリーやライブ感のクオリティは凄まじく、何よりもクイーンの楽曲をこういった形で拝聴させていただける・・・ということはかなーーーーーーり貴重です。
ウィー・ウィル・ロック・ユーなんて、ドンッドンッチャッやりそうになりましたし、大声でうぃーうぇーうぃーうぇーろっきゅーってやりたくなりましたよ。っていうか口だけでやりましたよ。空中でドンッドンッチャッやりましたよ。
今作、ヒューマンドラマとして質が高い+エンターテイメント性もとんでもないという、とんでもない映画です。
フレディ・マーキュリーという漢の様々な葛藤と苦悩、ミステリアスで狂気のある人間性が丁寧に描かれていると感じました。
実はこの記事を描いている途中で、今作をもう一回観たんですが・・・コレ、2回目がめちゃくちゃおもしろいです。
今作はクライマックスで一気にフレディ・マーキュリーの魅力を引き出すカンジになっていて、言い方を変えればそれまでは彼を遠い存在として見せられるというワケです。
しかし2回目となると、フレディ・マーキュリーをより身近に、より人間臭く感じ、また違った感情で見ることができるんです。
今作、私の想像の何倍以上にも人気があるようで、なんと109シネマズ名古屋で最新技術のIMAXレーザーでの上映も決定したみたいです(おのれぇ・・・)。
ちょっと気になる・・・というのであれば、ぜひとも、できるだけ高品質な上映で観てください。ホントに凄いので。
クイーンってボーカルがクソダサい動きしながら歌ってるバンドでしょ(笑)とか言ってる人がいたら、ぜひとも縛り上げて劇場に放り込んでやってください。
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